読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2017年4月3日の読売新聞の感想

都心満開 一番乗り

 気象庁は2日、東京都心で桜(ソメイヨシノ)が全国でもっともはやく満開になったと発表したそうです。靖国神社の標本木で確認されたそうです。

 昨日は僕もお花見に出かけましたが、全然咲いていませんでした。靖国神社は特別に早いんでしょうか。

 

英領、EU指針に猛反発

 イベリア半島南端に、スペインと隣接する英領のジブラルタルという土地があります。このジブラルタルの英国EU離脱後の地位に関して、EUは「スペインと英国が合意する必要がある」と明記したことに、ジブラルタルは強く反発しているそうです。

 歴史上、スペインと英国が領有権を争い、1713年に英領となったジブラルタルですが、スペインが現在も領有権を主張しているそうです。ジブラルタルのEUからの離脱を阻むことで、英国の影響力を弱め、スペイン領として取り戻したいなー、という感じらしいです。

 領土だっていうんだから、英国が離脱するっていうなら一緒にジブラルタルも離脱するっていうのが筋だと思うんですが、領土問題はそうもいかないんですね。こういう境界が絡む問題が世界一むずいです。自分の中での国・国家の概念がまた少し変質しました。

 

翻訳語事情 dictionary→辞書

 斉藤希史さんによる、英語の翻訳語についてのコーナー。辞書という言葉は、昔だと「辞する書」つまり、やめる意思を表明する書簡の意味でもっぱら理解されたそうです。かつては中国の文化に依って立っていた日本なので、現代の辞書にあたる書物は「字書」と漢字があてられていたそうです。漢字の意味が分かれば、文章の意味が通じるので合理的です。

 では、辞書という言葉はいつごろ、どこに登場したか。それは、19世紀ごろ長崎でつくられた蘭和辞典だそうです。西洋の言葉は、文字そのものでなく、単語単位で理解されるので、これまた合理的です。

 字書から辞書へと変化したわけですが、音を変えずに新しい言葉にしたというところに、興味深さがある、と斉藤さん。

 僕は辞書の「辞」のへんとつくりの位置が書いてみるまで不安になる癖があります。たまに間違えて書きます。

 

読売歌壇・俳壇

 今週はこの歌。

 日曜日新宿御苑を歩きましょう入口のある恋をしましょう

 (横浜市 安西大樹さん 選者:俵万智さん)

 こんな相聞歌が詠めると、いいなぁ~。僕は新宿御苑が大好きで、恋も大好きです。「入口のある恋」だなんて、にくい表現です。「はっきりとさせましょう、ここからがはじまりです。僕はあなたが大好きです」という告白の言葉です。すぐに退場とならなければよいですが。

 

 俳句はこちら。

 蕗の薹お澄ましもよし笑ふもよし

 (下松市 吉竹美智子さん 選者:正木ゆう子さん)

 蕗の薹の澄まし汁と、澄まし顔とをひっかけて、解釈に広がりが出ます。蕗の薹の澄まし汁がおいしくて笑顔になっちゃう、とか蕗の薹が澄ました顔にみえたり笑顔に見えたり、とか。

 

おわりです。

 

2017年4月2日の読売新聞の感想

チケット転売 公式サイト

 コンサートチケットの転売が問題視されている中、チケット販売大手会社と音楽・芸能関連団体が共同で「公式転売サイト」を新設して対策に乗り出すそうです。

 現状、元値の30倍もの値段で転売される例もあり、到底普通の人の手に届くような状態ではないようです。このような高額転売に対して、有名アーティストの署名入りで反対を表明する意見広告が出されていたのをよく覚えています。

 このような状況に歯止めをかけるため、ぴあ、ローソン、セブン-イレブン・ジャパンなどチケット販売会社や音楽、芸能プロダクションなどおよそ20者で協議会が設け、見出しにあるような公式転売サイトを作るそうです。今後発売する電子チケットは、公式サイトでしか転売できないような仕組みにし、転売価格は正規料金を大きく上回らないよう上限を設けるとのことです。

 現在想定されている仕組みでは、電子チケットでなければ公式サイトを介さない転売を抑える野は難しいとのことですが、電子化に対応できない高齢のファンへの対応が問題で、すべてのチケットを電子化するわけにはいかず、紙のチケットも併売するそうです。

 やっと対応が実現したか、とうれしく思います。この仕組みがうまくいって、ただ「当日いけなくなったからほかのいきたい人に譲りたい」という考えの人と譲り受けたい人にとって幸せな未来が訪れてほしいです。

 僕はふだん、ちょっとしたイライラはあっても、そう怒ることはないのですが、チケットの転売で儲けている・儲けようとしている人に関してはかなり怒っています。

 

ニャるほど!社会保障 高校生の私に社会保障って関係あるの?

 日曜版のマンガ「猫ピッチャー」のキャラクターで高校生のユキちゃんが抱く社会保障に関する疑問に記者が答えるコーナー。意外と知らないことが多いので、読むと勉強になります。

 子ども(というかその親)が受けている国からの保障は多彩で、

  • 出産育児一時金(健康保険から42万円)
  • 育児休業給付金(雇用保険から給料の67%)
  • 出産手当金(健康保険から給料の2/3)
  • 医療費負担額減免(未就学児2割負担、自治体によってはもっと)
  • 児童手当(国や自治体、企業が負担。0.5-1.5万円/月)

とかなりのもの。自分が育ってきたこれまでにかなり手厚くお金をもらっているので、きちんと働いて返さないといけないなと思いました。

 

おわりです。

2017年4月1日の読売新聞の感想

団塊議員36人 3つの決意 自民

 団塊世代自民党国会議員36人で構成される「団塊の会」は31日に

  1. もうひと花咲かせる
  2. 迷惑をかけない
  3. 延命治療は受けない

という3か条の宣言をまとめたそうです。自民党衆院比例選の73歳定年制について、「もう少し上げたらどうか」といった言及もあったそうです。団塊の会は1947~1949年生まれのベテランで構成されています。

 1947~1949年生まれというと、少なくとも70歳ということですが、もうひと花も二花もないのではないかと思います。国会議員に限りませんが、限られた席に居座り続ける老人ほど邪魔なものはないと思います。蓄えられた知識や経験が役に立たないとまでは思いませんが、革新的に有用である場合もそう多くないと思います。

 もちろん、ポストがある老人の人脈が良い方向に働くという場合も考えられますが、力のある人の電話一本で解決、なんて事例はどれほどあるのでしょうか。実態を知りませんから何とも言えませんが、あるのかなぁ。

 

世界遺産「観光客多すぎ」 イタリア

 イタリアでは、世界遺産を訪れる観光客が現地住民の生活を脅かしているそうです。たとえば、ベネチアでは2004年の観光客数が175万人だったのに対し、2014年には260万人とおよそ1.5倍増しに。街並みも観光客向けに変貌してしまい、通勤の交通手段も観光客の多さで自由に利用できない始末。郊外に転居した住民もかなりいるそうです。ほかにも、「チンクエ・テッレ」「青の洞窟」「スペイン広場」のような有名な場所でも観光客対策の議論がなされているそうです。

 しかし、観光収入が魅力的なのも事実で、自治体は頭を悩ませているそうです。

 人がたくさん来るのも考えものですね。日本では京都なんかもそんな感じで大変なんではないでしょうか。僕は旅行でしかいったことがないですが、バスが空いているのを見たことがありません。世界人口の絶対数が多くなりすぎ、富の蓄積も多くなりすぎてこのような事態になっているのだと思います。旅行に行くのなら、名の知れたところに行きたいと思うのが人情ですから仕方のないことなのかもしれませんが、本気で人間の数の集中を薄める方法を考えなければならないなと思っています。このような考え方は前にも展開したことがあります。

 

shinbun-no-kansou.hatenablog.com

 

登校列に車 88歳不起訴

 横浜で、認知症の老人が運転する軽トラックが小学生児童の登校列に突っ込み、8人が死傷した事件で、運転手の責任能力が問えず不起訴となったそうです。容疑者は、「ぶつかった理由がわからない」「どこを走ったのか覚えていない」と供述しているそうです。

 認知症状態の過失に関しては、法的判断がかなり難しいそうです。本人の記憶がなければ起訴は基本的に難しいといいます。「人に接触した感触はあった」と証言した横浜の死亡ひき逃げ事件の容疑者(77歳の認知症)は起訴されたそうです。

 近頃この手の事件がよく起こっている印象があります。僕は去年運転免許を取りましたが、運転するたびにおっかないし、すべての判断を適切にできている自信がありません。経験が不足しているとはいえ若い僕でさえそうなのに、認知症とか、認知症でなくても高齢の人が適切に安全に運転できるとは到底思えません。運転免許定年制を本当に考えるべきだと思います。自動運転の発達も見込まれますから、精神的な反発以外にはそう困難なく移行していけそうだ、と僕はみています。

 

おわりです。

2017年3月27日の読売新聞の感想

読売歌壇・俳壇

 今週はこの歌が良いと思いました。

 アルプスの峰に輝く春の雪この安曇野が好きでたまらぬ

 (安曇野市 曽根原幸人さん 選者:小池光さん)

 僕はこのような主張が好きでたまりません。

 

 俳句はこれがいいです。

 春の雨ららららららとふりにけり

 (松戸市 をがはまなぶさん 選者:宇多喜代子さん)

 僕は雨が嫌いですが、こんな句のように思えればあるいは素敵なのかもしれません。「ららららららと」のリズム感にしてやられました。

 

おわりです。

2017年3月25日の読売新聞の感想

やっと仕事がひと段落したので、4月はもう少し感想を多めに書けると思います。

 

考える道徳 手探り

 教科書検定が済み、今後少しやり方が変わる道徳の教科書も出そろったそうです。

 小学校の道徳で扱う22の項目が表にまとめられていました。「善悪の判断、自立、自由と責任」、「正直、誠実」など、ふむふむと思ってみていたら「真理の探究」っていうのが出てきて思わず笑ってしまいました。規模が大きすぎるなぁと思って。もちろんそんな大それた意味で言っているわけではないんでしょうけど、小学校の道徳の中で真理に触れることができたら世話ないよなぁと思いました。

 ただ、道徳教育に関しては充実させようといろいろやってみるのはとってもいいことだと考えています。日本ではなぜか、「子どもは純粋無垢でいいけれど、成長していくうちに悪いものを取り入れてダメになっていく」という性善説に依って立つ考えの人が多いので、道徳なんて教えるものではないという意見も時に目にします。

 しかし、何が善で何が悪かはどこかに基準がないと決まらないので、教える必要があります。それに、純粋無垢ならいいかというとそうではないし、そもそも子供はかわいいけれど純粋無垢ではないと僕は思います。

 教える基準が絶対的に正しいものにはなりえないので頭をひねる必要がありますから、いろいろやってみる必要があるというのが僕の考え方です。

 

おわりです。

2017年3月20日の読売新聞の感想

 気が付いたら前に書いてから2週間くらいたってしまいました。光陰は矢のごとしです。高校の時、「光陰は矢のごとしとか言うけれど」という上の句の短歌を作ったのですが、下の句がどうしても思い出せません。

 今日は3月21日ですが、3月20日(月)の感想を書きます。読売歌壇・俳壇です。ほかのニュースも読んでないわけでないですが、あんまり興味がわきません。時間あんまりとれなくて目を滑らせるようにしか読めてないというのも原因です。

 

読売歌壇・俳壇

 今週はこの歌。

 ひらひらと往復葉書の蝶が来て春だ同窓会だと誘ふ

 (青梅市 諸井末男さん 選者:俵万智さん)

 往復葉書の蝶という比喩は特別胸を打たれるようなものではないのですが、「春だ同窓会だ」の句またがりのリズムがしっくりきて好きです。まだ僕が若いからなのか、はたまた友達が少ないからなのか同窓会の知らせは来ません。

 

 俳句はこれです。

 整列のものがなしさよチューリップ

 (相模原市 奥沢和子さん 選者:矢島渚男さん)

 並んだチューリップは、春の見どころの一つですが、そこに物悲しさをみる人もいるようです。その人工的な感じがそう感じさせるのでしょうか、はたまたいずれしおれて枯れていく運命を思ってのことなのでしょうか。この句を見て、む?と思うのは、僕の頭に童謡「チューリップ」が、刻まれているからです。赤白黄色の並んだチューリップが肯定的に歌われており、どこかそれを当然と思っていました。

 

おわりです。

2017年3月6日の読売新聞の感想

ちかごろ忙しくて新聞に目を通せない日が続いています。もったいないので、余裕ができたら通り過ぎた日のものも読みます。それが今日です。今日は3月8日ですが、3月6日月曜日の感想を書きます。月曜日には読売歌壇・俳壇があります。

 

人生案内 「好き」と言わない彼女

 20代前半の会社員男性からの相談。つき合っている彼女が「好き」という言葉を口にしてくれません。きちんと彼氏彼女の関係であるのですが、好きと言ってくれないことが不満です。自分自身は「好き」と言うようにしているのに、彼女はお願いしてもなかなか言ってくれません。彼女にとっては私は遊びなのかも、と不安にもなります。

 作家の出久根達郎さんの回答。こんな川柳があります。

ラブレターすきスキ好きと書いてなし(小島蘭幸)

この川柳は50年前に作られたものですが、大変勉強になります。好きなどと書いてないから、ラブレターなのです。恋愛に限らず、言わず語らずに、相手がどんな気持ちでいるのか察して思いやるようでないと、生きていけません。もっと読書をなさい。

 この相談、一目見て笑ってしまいました。微笑ましいと同時に、なんだか弱い男だなぁとも思って。「好きと言ってよ」と言って言われる「好き」になんてすこししか価値はないのに。書いていないこと、言っていないことをこそ読み取りなさい、という出久根さんの考えには大いにうなずけます。とはいえ、行間だけでは暮らせないのも事実。読み取る努力とわかりやすく伝える思いやりをもって暮らしたいものです。

 

読売歌壇・俳壇

 今週はこの歌。

 業終えて鋏の手入れするいとま傘寿のいまがもっともたのし

 (下関市 森 利治さん 選者:岡野弘彦さん)

 傘寿といえば80歳。僕の3倍以上の年齢ですが、その時期にして「もっともたのし」と言い切れる。その、「言い切る歌」の背後に敷き詰められた80年間が、歌に重みをのっけている感じがしました。

 俳句はこれです。

 初夢や坂のぼれどものぼれども

 (西東京市 高科憲勝さん 選者:宇多喜代子さん)

 何とも不穏な初夢。坂のぼれども、のぼれども頂見えず。でも、なぜそんな坂をのぼっているのかとか、のぼった先にはなにがあるのかとか、想像がはかどります。楽しい句。

 

おわりです。