読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2017年3月6日の読売新聞の感想

ちかごろ忙しくて新聞に目を通せない日が続いています。もったいないので、余裕ができたら通り過ぎた日のものも読みます。それが今日です。今日は3月8日ですが、3月6日月曜日の感想を書きます。月曜日には読売歌壇・俳壇があります。

 

人生案内 「好き」と言わない彼女

 20代前半の会社員男性からの相談。つき合っている彼女が「好き」という言葉を口にしてくれません。きちんと彼氏彼女の関係であるのですが、好きと言ってくれないことが不満です。自分自身は「好き」と言うようにしているのに、彼女はお願いしてもなかなか言ってくれません。彼女にとっては私は遊びなのかも、と不安にもなります。

 作家の出久根達郎さんの回答。こんな川柳があります。

ラブレターすきスキ好きと書いてなし(小島蘭幸)

この川柳は50年前に作られたものですが、大変勉強になります。好きなどと書いてないから、ラブレターなのです。恋愛に限らず、言わず語らずに、相手がどんな気持ちでいるのか察して思いやるようでないと、生きていけません。もっと読書をなさい。

 この相談、一目見て笑ってしまいました。微笑ましいと同時に、なんだか弱い男だなぁとも思って。「好きと言ってよ」と言って言われる「好き」になんてすこししか価値はないのに。書いていないこと、言っていないことをこそ読み取りなさい、という出久根さんの考えには大いにうなずけます。とはいえ、行間だけでは暮らせないのも事実。読み取る努力とわかりやすく伝える思いやりをもって暮らしたいものです。

 

読売歌壇・俳壇

 今週はこの歌。

 業終えて鋏の手入れするいとま傘寿のいまがもっともたのし

 (下関市 森 利治さん 選者:岡野弘彦さん)

 傘寿といえば80歳。僕の3倍以上の年齢ですが、その時期にして「もっともたのし」と言い切れる。その、「言い切る歌」の背後に敷き詰められた80年間が、歌に重みをのっけている感じがしました。

 俳句はこれです。

 初夢や坂のぼれどものぼれども

 (西東京市 高科憲勝さん 選者:宇多喜代子さん)

 何とも不穏な初夢。坂のぼれども、のぼれども頂見えず。でも、なぜそんな坂をのぼっているのかとか、のぼった先にはなにがあるのかとか、想像がはかどります。楽しい句。

 

おわりです。