読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2016年8月25日の読売新聞の感想

米大統領選2016 現場から6⃣ 学費負担減 見えぬ財源

 アメリカの大学生の経済事情について書いてありました。28歳の女性の事例が紹介されていました。卒業までの全費用のおよそ半分を奨学金で賄ったそうですが、7万2000ドル(約720万円)の学生ローンを利用したそうです。卒業後は月に900ドルずつの返済を行っていたものの、利息が8%と高額で9万ドルまで残高が膨らんでしまったそうです。今現在返している人も含めてアメリカには4300万人の学生ローン利用者がいるそうです。

 2014年アメリカの国勢調査では、上位5%の年収が33.2万ドルに対し、下位20%の年収が1.17万ドルと格差が大変なことになっているそうです。このあたりについて、新大統領の考え方にも注目されています。

 アメリカの学生事情はかなり大変なことを知りませんでした。少し試算してみたのですが、アメリカの20-54歳までの人口が1.52億人いますから、その28%が学生ローンを利用している計算になります。

人口データはここからとりました。

populationpyramid.net

 記事にあった女性の事例が極端なサンプルでないとすれば、これはとってもひどい状況ですね。日本の学生ローン最大手、日本学生支援機構の場合、利息は上限で3%と定められていて、今のところ0.8%から2%行かないくらいで推移しているようなので、アメリカに比べるとかなり良心的な感じがしました。

平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率 - JASSO

 最近「日本の奨学金制度はダメである」という声をみます。その声の高まりが給付奨学金を公約にさせるところまで来ています。この間はこんな話題を目にしました。

借金1000万超の彼との結婚 : 恋愛・結婚・離婚 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 この話題について、1000万円の借金というのは確かにそうなのですが、短絡的に考えすぎだと思います。ただの借金ではないのです。身になるお金の使い方だとかいうことを言いたいのではありません。借金は1000万ありますが、その大部分の利息は0です。公開情報から計算できますが、博士まで最大金額で借りていっても895.2万円は無利息で借りられます。月に5万ずつ返還すれば15年です。

 こんな大金を借金してしまった場合、返還するとなれば新聞記事の女性のように残高は膨らむ一方になるはずですが、無利息なのでそうはなりません。895万円はちょっと多いですが、たとえば修士までなら450万円くらいですから、月に2.5万円で15年になります。これを高いとみるか安いとみるかは人の価値観に依りますが、この金額を家庭から捻出できなかった人にとっては助かるのではないでしょうか。これがなければ、大学に行くことなんてとてもできないでしょう。こんな大金を無利子で借りられる制度は、ちょっと良心的すぎやしないでしょうか。

 どんなに学費を0円に近づけることができても、学生をするには生活費が必要ですから、どこかからお金を持ってくる必要があります。もし、給付奨学金が創設できた場合、お金を受け取ることのできる学生の数は大きく減ってしまうことでしょうし、もし数を維持するのなら給付(人数少ない)と貸与(有利子、人数多い)の二択にする必要があるのではないか、と思っています。なので、いままずやるべきなのは給付奨学金創設でなく学費を0に近づけることだと思います。

 そういう意味で、今の形の奨学金制度が批判されるいわれはないと思うのです。こういう話をしたときに、ヨーロッパのどこどこでは…という話をもってくる人がいますが、末端情報だけ言われても話になりません。どういう税金の集め方をしてどのように配分しているかとか、学生はどれくらいの人口比を占めるのかまでを日本の情報と絡めて教えてくれればいいのですけど、そうじゃないと何も言えません。

 結局アメリカの話から日本の話にスライドさせてしまいました。すみません。

 

まだ書こうと思える記事がいくつかあったのですが、疲れたのでおわりにします。

ブログとは関係ない近況ですが、短歌の結社に入ってみました。毎月ちゃんと作品をつくって人に見せることができます。緊張しますが、頑張ります。