2017年5月1日の読売新聞の感想
読売歌壇・俳壇
今週はこの短歌。
身の細るほどの恋など知らずきてもっとも若きいまを生きおり
誰にとってもいまはもっとも若い時。若かったころに多少悔いはある、とくに燃えるような恋がしたかったという思いはあれど、もっとも若いいまだって生活に愛着がある。春の午後という感じがしました。
俳句はこれです。
永き日やこゝろゆくまで耳ほじる
(東京都 杉中元敏さん 選者:小澤實さん)
深追いしてしまうときありますよね。あまり注目されない耳かきを句の題材にもってきたところにおっ、と思いました。
短歌あれこれ 青春を詠む
歌人の染野太朗さんが、青春詠二首を紹介しています。
わたしまだ自分を信じきれてない褒められるたび触れる薄ら氷(うすらい)
青空を歩くみたいに恋をした近くて遠い君は日輪
(二首とも神野優菜さんの作品)
ティーンの短歌って、いいんですよね。特有のままならなさとか、不満とか、自分の未熟さへの悔しさとかが出ているものなんかとてもよい。僕ぐらいの年頃でもおなじような気持ちになることはあっても、初遭遇ではないのでなんだかこずるく処理してしまう。いざアウトプットするかと思っても、「大人なのに」みたいな気持ちに邪魔されてしまう感じもある。
年齢によってできること、できないことは確実にあるという思いが強くなります。いつできなくなるかわからないので、できるようになったことを今のうちにたくさんやっておかないと。
おわりです。