読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2016年12月26日の読売新聞の感想

若者の消費 身の丈未満

 ニッセイ基礎研究所が発表した30歳未満の単身者世帯の消費支出のデータと、最近の街の動向を踏まえた若者の消費行動に関する記事がありました。可処分所得は増えているにもかかわらず、消費は伸び悩んでいるそうです。

 1980年代以降生まれの世代の消費行動が、かつてに比べて大人しいと言われて久しいです。クリスマスシーズンのプレゼント選びに、それが顕著に出ているそうです。昔は20代はブランド品を競うように買っていたのに対し、現在は5000円前後の手袋など、手ごろなものを選ぶそうです。パーティも、外食よりケーキを予約して自宅でやったりする人が目立つといいます。

 車も売れません。海外旅行も勢いがなく、20代のパスポート取得率が1989年では8.6%ほどだったのが、2014年には5.9%だそうです。もともと少ないですが、少なさに拍車がかかっているというのが現状です。ニッセイの人は「若者はバブルを知らず、物価が上がらない不況の中で育ってきたので、節約志向も強い」と述べています。

 自分の身を振り返ってみると、現在よく言われている若者の消費行動は実感としてわかります。大卒の多くは奨学金を借りているし、奨学金を借りていなくてもそう多い給料をもらえるわけではないので節約志向が強まるのはむべなるかなといった感じがします。でも、そういうのは二の次三の次で、消費行動がこのようになっているのは、若者の欲が足りないとかそういうことではないと思います。

 身の回りにある様々なものが、ハイクオリティに、そして安価に利用できるという、ただそれだけのことだと思います。たとえば東京に住んでいれば車なんてなくても簡単に好きなところに行けます。スマホがあればそれなりのクオリティのゲームができます。それこそ、初代プレステ程度のゲームなら1000円もしないでできます。牛丼もおいしいし安いです。そんなところでわざわざお金を使うことがあるでしょうか。

 東京以外に住んでいる友達は、車を持っています。それは必要だからです。そういう人たちは、東京に住んでる友達に比べて給料が多いかというとそんなわけでもありません。結局、必要なら買うしいらないなら買わない、ただそれだけの話だと思うのです。

 いろいろと、生まれたときから不況で…などとこじつけるのが流行っていますが、全然関係ないし的をはずしていると思います。

 

読売歌壇・俳壇

 今週はこの歌が好きでした。

 買って来し卵に賞味期間書きついでに一寸目鼻を書きぬ

 (東京都 白木静子さん  選者:小池光さん)

 日常詠、極まれりといった趣です。卵は10個入りのを買ったんでしょうけれど、一つ一つに違う顔を書いて、泣いたり笑ったりさせたに違いありません。その日の気分に合わせた卵を料理に使うのもまた、楽しいですね。悲しいことがあった日は、飛び切り笑顔のものを選ぶとか。

 俳句はこれです。

 熟柿吸うああうまかつたうしまけた

 (市川市 白土武夫さん  選者:正木ゆう子さん)

 「うまかった、うしまけた」、「何か用か九日十日」などの語呂合わせは、地口というそうです。馬勝った牛負けた、は、うちの祖母がよく言っているのでそれに引きずられて好きだなぁと思いました。いわゆる一つのユーモアですが、この手のものは大好きです。

 

おわりです。