読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2016年3月20日の読売新聞の感想

卵子凍結 健康女性562人

 読売新聞の調査で、卵子の凍結保存や、それを用いた出産が行われていることがわかったそうです。全国23施設で行われており、これまでに3人が出産にいたっているそうです。利用者の動機は、出産する意思があるが今はそのタイミングではない、というもので、実際に出産するときには若いころの卵子を使いたいということでした。日本生殖医学会では13年に指針をつくっており、40歳以上の採卵、45歳以上の使用は推奨されていないようです。理由は高齢出産のリスクが高まるためです。しかし、現行で出産した3人はいずれも40代で、少々議論があるみたいです。

 技術的に問題がなければどんどんやればいいと思います。特に、子宮や卵巣の病気などで問題が生じそうな人にはかなり救いになる技術だと思いますので、実施例が増えることは良いと思いました。

 

地球を読む トランプ旋風 喜ぶTV局

 慶應義塾大学の竹森俊平教授の文章です。アメリカ大統領選での共和党候補者・トランプ氏の人気とメディアの関係を述べていました。トランプ氏のような人物が物議をかもす発言をすれば、TVは儲かる。広告収入をあてにしたメディアではこのような現象が起こりがちで、危険がある。それは、現在流行りのインターネットメディアにももちろん言えることで、「好きな情報を積極的に追い、嫌いな情報を遮断する。こうして多くの国民は自ら選択した情報空間に閉じこもり、その空間を客観的裏付けのない『事実』が徘徊する」という、アメリカの議会政治研究者ノーム・オーンスタイン氏の言を引用していました。他方、新聞は広告収入がメインではなく、「人目を惹く」ことに過剰にこだわる必要がないため情報の中立性が担保されやすい。我々も新聞の社会的役割を認識する必要がある。といったことが書かれていました。

 インターネットには毎日触れるのですが、好みの情報をカスタマイズできるところが気に入っています。記事にあるように、それはいささか危険をはらむことは認識していまして、こうして新聞を読んでいる次第です。

 記事では、新聞記事には事実の裏付けがあり信頼がおけるということが強調されていましたが、その点は疑問です。もちろん多くの取材に基づいて記事が書かれていることは否定しませんが、あまり手放しに信頼するのも危ないなと。結局、情報を受け取った人がそれをどのように飲み込むかということになるのですが、新聞記事は中立っぽく書かれているので、ゆっくり効く毒のようになってしまう危険があるよなぁ…と感じました。インターネットニュースはバレバレの毒な場合が多いのでそれはもちろんダメなんですが。

 とはいえ個人的にはやはり新聞の情報はしっかりしていると思います。記事でも言及されていましたが、欧米諸国で軽減税率が適用されている意味や、日本でも適用されようとしている意義を意識します。

 

エコノ考 人と機械の境界線で

 経済部デスク 中沢謙介さんの文章。人工知能アルファ碁がプロ棋士を下したという話題から、AIの発展について思いを馳せています。「残る「聖域」は非生産的で感傷的な、時に愚かな行為の数々であるかもしれない。一日中、何もない海辺で釣り糸を垂らし、翌朝早いのに、明け方まで酒を飲んで語り合う。やるべきことがあるのに夕焼けや星空をぼんやり眺め、そのまま寝てしまう―。そう考えると、我が身の日常は人工知能にはできない極めて人間的なものに思える」この文章には、AIもいずれ、このような感情をまねようとするだろう。と続いていました。

 人工知能は、空想を深めてくれる面白い存在だなと思います。技術的にもすごいのに、我々の情緒まで揺さぶるとは。でもよく考えてみたらすごい技術はいつでも我々の情緒を揺さぶるし、少々の忌避感を催させるものですね。また、人工知能が空想を深めてくれたのではなく、過去に成された深い空想が人工知能誕生に寄与したとも考えられますね。こうして互いに刺激しあって、らせんのように進歩していくんだなと思いました。言語の習得に関して、こないだ同じようなことを考えたことを思い出しました。

 

20日のこの新聞には、消費増税延期に否定的な記事もありました。

 

おわりです。