読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2017年2月6日の読売新聞の感想

四季

しろたへの鞠のごとくに竈猫

(飯田蛇笏 『猫の国語辞典』より)

毎日俳句か短歌を紹介する小さなコーナー。最近は猫の国語辞典という句集?から猫にまつわる俳句が紹介されています。

今日のこれ、想像するだに見てみたいです。

竈が家にあったころ、猫は竈の中で丸くなった。たまには火が残っているとも知らずにもぐりこみ、あわてて飛び出すこともあった。この句、美しい白猫が灰まみれになって眠っている。竈も竈猫も見かけなくなった。

 全文引用してしまいました。火のところにもぐり込んで飛び出す猫、見てみたいし灰まみれの箱座りで眠る猫もまた乙なものでしょう。何とも魅力的な生物です。

 

読売歌壇・俳壇

 今日はこの歌。

 右肩の下がる歩行を指摘され素直に認む「もういいのです」

 (舞鶴市 吉富憲治さん 選者:小池光さん)

 「もういいのです」と言う場合、ちょっとやってみたけれどできない場合とずーっとやってきたけどできない場合の二通りがあるように思います。ずーっと癖になっていることが、時間の重みを感じさせて、「もういいのです」の一言がズシリと重くなっています。きっとこれから僕も「もういいのです」と言う機会に巡り合うことでしょうけれど、そこに重みを込められるようにしたいです。

 

 俳句はこれです。

 書初の大の一字のすわりよき

 (由利本荘市 松山蕗州さん 選者:宇多喜代子さん)

 なんだか問答無用に頭の中に思い浮かべさせられる大きな「大」の字。ものすごい腕力の俳句だなぁと思いました。

 

おわりです。

2017年2月5日の読売新聞の感想

男性保育士に任せる? 女児の着替え、おむつ替え

 千葉市が策定した「男性保育士活躍推進プラン」をきっかけに、男性保育士が女児の着替えやおむつ替えを手伝わせるべきかどうかの議論がなされているそうです。このプランそのものは、男性が保育士として働きやすい環境を整えることを打ち出したものです。これまではトラブル回避のために男性保育士にやらせない保育所もあったそうですが、このプランでは性差に関わらずすべての保育を実施する方針が明記されているとのことです。

 僕の身内に男性保育士がいてきちんと仕事をしていることが念頭にあっての意見ですが、男性保育士の立場からはかなり不愉快な反対意見だと思います。記事に紹介されていた反対意見は大きく以下の2種類です。

  • 「性の自覚が早い子にとっては耐えがたい苦痛。男性保育士を増やし、男女別にするべきだ」という男女の別なく異性に面倒を見られるのは苦痛であるという意見
  • 「男性保育士の性的いたずらが不安」という意見

 一つ目の意見は、本当にそうか?という感じがします。「性の自覚が早い子」というのが0-5歳の間に想定できるでしょうか?4、5歳くらいならいるかもしれませんが、それ以下なら?4,5歳だと頻繁に着替えたりおむつを換える必要はなくなるころなはずなので、分けるのは可能かもしれませんね。いや、0-3歳でもいるんだよ、と強く言われたら何とも言えませんが。そこで仮に、「性の自覚が早い子」がいたとしてそれがLGBTだったら対応が難しいですね。

 二つ目の意見は、まぁそりゃ出るだろうなという感じですが、確証をもって「絶対にやりません」とは言えないことですし、一度起きてしまったら取り返しがつかないので、明快な反論ができないのも事実です。が、真剣にまじめに保育士として仕事をしている男性にとっては到底承服しがたい反対意見だと思います。

 0-3歳は男性OK、4、5歳は園児の性別に合わせた性別の保育士が担当するというのが折衷案としていいのではないかと思いますが、今後どうなるのか気になる話題でした。

 

おわりです。

2017年2月1日の読売新聞の感想

ブログを書くことによって今日が何日かを打ち込むので、日付に対する意識が強まります。それはメリットだ、と今思いました。

 

人生案内 劣等感がない高3女子

 高校3年の女子からの相談。コンプレックスがないことが悩み。比較的裕福で家庭不和もなく、家の外でも何不自由なく暮らせている。しかしながら、将来やりたいことが何一つ見つからない。バネになるようなコンプレックスがなく、苦労もしておらず、この先大丈夫なのかと不安になった。自分の弱さを知ったうえで正しく生きるにはどうすればいいか。

 哲学者の方の回答。その考えそのものがコンプレックスですね。それに、行動のバネになるのは何もコンプレックスだけでなく、人を喜ばせるとか困っている人を助けることで気力が充実するということもある。将来会社に勤めたとして、好きなことばかりができるわけでなく、上司に適性を見極められて仕事を任されます。個性や能力は、まず他人が見つけてくれるものです。

 なんだか他愛もない掛け合いですが、なぜか心が動かされました。なんでだろう。

 

千葉大暴行 「同意あった」無罪主張

 千葉大医学部の学生の集団強姦事件で、集団強姦罪に問われた二人と、準強姦罪に問われた一人の計三人のうち、一人が「同意の上だった」ということで無罪を主張しているそうです。ほかの二人は起訴事実を認めているそうです。

 よくもまぁそんな主張ができるなぁ、と驚きます。それと、こういう「酔わせて襲う」タイプの強姦事件の話を聞くたびに思いますが、酒に酔って意識も朦朧としている人と性行為をするのは楽しくないんじゃないでしょうか。人間って結構重いから、嫌になっちゃうと思うんですけど、それを補って余りある性欲があるんでしょうか。それはそれですごいですね。

 

おわりです。

 

 

2017年1月30日の読売新聞の感想

読解力が危ない1⃣ 問題文が理解できない

 日本の子供たちの読解力低下が懸念されている、ということがしきりに言われています。それにスポットを当てた連載記事です。

 OECDの国際学力調査で、15歳の読解力の項目が前回4位から8位に後退したそうです。どうも、答えが問題文に書いてある問題の正答率が低いのだそうです。

 こういう話になると、「読解力の向上には新聞を読むといい」というようなことが必ず書いてありますが、その理屈がよくわかりません。かれこれ1年以上ほぼ毎日新聞を読んできましたが、特別に素晴らしく論理的な文章だとは思えません。それに、予備知識が結構必要で我慢して読まなきゃならないので、読解力のテストで点数をとれないような子供に読めるような代物ではないと思います。

 読解力の足りない子供は、算数の文章題で100発100中で正答が出せるようになるまで訓練するだけでいいと思います。

 あと、大学生の読解力、文章力がおぼつかないということも書いてありましたが、読解力や最低限の文章力のない大学生が卒業できる学校をなくしてほしいです。全員が均等に教育の機会を得ることと、そういう学生を切り落とすことを並行していくことはできるはずだし、そうしていくべきだと思います。

 

入国制限 不安と反発

 アメリカの大統領令で入国制限がかかったことによってつらい目に遭っている人がたくさんいるようです。飛行機に乗っている状態で大統領令が発令してしまったため、着陸後空港から出られないという状況になった人が多数いるそう。米連邦地裁の仮処分で事なきを得たそうですが、さっそくトランプ大統領がもめ事を生んだっぽいです。

 法律・法令だから仕方がないとはいえ、さすがに空中にいるときに発効した仕組みで被害を受けるのはかわいそうだと思いました。乱世に突入する気配がありますね。こわいなぁ。

 

読売歌壇・俳壇

 今週はこの歌が好きでした。

 ひきこもりの中学生は思ひきり軒のつららを薙ぎ倒しをり

 (島根県 藤井幹雄さん 選者:小池光さん)

 おとなしそうな子が、力任せにがりんがりんとつららを壊す光景、目に浮かびます。なんだかその力強さにグイッとやられました。でも、どうしてひきこもりの中学生はわざわざ外に出て、つららを薙ぎ倒しているんでしょう。窓の外を覗いて、触ってみたくなったんでしょうか。

 

 俳句はこれです。

 冬菫この世に午後という時間

 (神戸市 音羽和俊さん 選者:宇多喜代子さん)

 すみれの薄ピンクと、午後のゆったりした感じ、とってもいいです。菫→この世→午後→私という小大大小の動きとその全体を包むやわらかい雰囲気全体でたたずむ句だなぁと思います。ただ、自分で書いていて何を言ってるか絶対に伝わらないだろうなぁという自信があります。

 

おわりです。

2017年1月29日の読売新聞の感想

医療、介護 休業の目的は「両立」

 近頃目にすることが多い、「介護休業」ですが、その一番の目的はなんでしょうか、という問いかけから始まる記事。その目的は「取得者が介護に専念できるように」ではなく、「仕事と介護を両立できる体制を整えること」とあります。

 多くの人が上記のような誤った理解をしているようで、その誤解を改めるための富士通の取り組みが紹介されていました。それは、制度の名称を「介護休職制度」から「介護・介護準備休職制度」に改めること。ちょっとしたことですが、これはかなり効果的だと思いました。

 自分も誤って理解していたので、介護休業をすることを想像したとき、数か月くらい休みをもらったところでどうしろっていうんだろうなと思ったものの、まだ先のことなので真剣に考えずに脳内で放置してありました。記事を読んだ今、少し考えたらたどり着けるだろうよ、という答えでしたが、この記事を読んで導いてもらえたので良かったと思います。

 

サイエンスview 顔の好みを変える

 すごいことが書いてありました。訓練を重ねて「好き」、「嫌い」の認識を変えることができるのだそうです。京都府の国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が昨年9月に発表した成果です。

 fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)で、リアルタイムで脳活動の様子をモニタリングしながら行う実験です。

  1. 被験者に、多くの人間の顔写真を見せてその顔が好きか嫌いかを10段階で評価してもらいます。
  2. 脳活動のパターンをAIで解析し、「好き」と感じたときに特徴的な脳活動、「嫌い」と感じたときに特徴的な脳活動をデータとしてストックします。
  3. 被験者の脳活動が「好き」と感じたときのものと一致するときほど大きな円が画面に表示されるように設定し、任意の顔写真を見せて、「画面に出る円がなるべく大きくなるよう自由に脳活動をしてください」と被験者に伝えます。この際、被験者はどのような設定で円の大きさが変わるのかは知らされていません。
  4. 大きな円を出すことができた人には金銭報酬を与えます。

このような実験を被験者ごとに1日180回、3日間(!)つづけたそうです。この実験では、好みが「中程度」のものばかりを見せたそう。

 実験が終わった後に、ふたたび顔の好みを10段階で評価してもらうと、はじめは「中程度」だった好みの顔が「好き」として認識するようになったそうです。同様の方法で「嫌い」と認識させることもできたとか。

 この方法を応用することで、過去のトラウマや精神疾患を治療することが期待されます。この技術はDecNef(デックネフ:Decorated Neurofeedback)とよばれているそうです。

 これは日常的に応用できると思います。僕は結構「楽しいから笑うのではなく、笑っていると楽しくなる」という考え方が気に入っていて、実践しています。このことは結構実感を伴って効果があると思っていますが、この研究結果はそれを科学的に裏付けるものと考えていいだろうと思いました。「気の持ちよう」ですべては片付きませんが、利用する価値は大いにあるということですね。

 

おわりです。

2017年1月28日の読売新聞の感想

読者投稿 レジ係にどならないで

 横浜市の54歳の女性からの投稿。スーパーのレジで仕事をしている。先日、アイスクリームを購入した男性に「ドライアイスはいりますか」と3回尋ねたが返答がなかったため入れなかった。そうするとそのあとに「ドライアイスが入っていない!」とどなられた。自分の接客をすべて否定されたようで落ち込んだ。レジ係の人の気持ちも考えて、どうかどならないでください。

 こういう話よく聞きますが、本当に信じられません。日本はきちんと決まった身分階級がないのですから、客-店員という立場であろうがなんだろうが対等であるし、それに基づいた対応を互いにすべきです。なぜか、「客のほうがえらい、客がいないと商売が成り立たないだろうが」などというおかしな考え方を持っている人がいますが、逆に「店がなくなったら生活が成り立たない」とは考えないのでしょうか。理解に苦しみます。

 

410円タクシー 都内で30日から

 これまで一律2 km 730円の初乗り料金が、1.052 km 410円になるそうです。それ以降は237 mごとに80円ずつ加算されていくようです。全体的にお得になるかというとそうではなく、乗る距離によって値上がりだったり値下がりだったりするそうです。

 1 kmは、タクシーに乗れば1分ほどで移動できますが、歩けば10-15分くらい。走ったら5分くらいです。健康かつ分単位での生活をしていない僕としては、やっぱりあんまり使わないだろうなぁと思いました。

 

おわりです。

2017年1月27日の読売新聞の感想

昨晩頭痛で、新聞を読まずに寝ました。今朝起きてから、昨日(27日)の分と今日の分をまとめて読みました。

 

四季

 俳句や短歌を一つずつ毎日紹介しているコーナー。

 子の四人を宝と言いし母の死にだれひとりとて間に合わざりき

 (鈴木智子さん 歌集『四季の彩り』より)

 この歌の「母」のことを思うと、一見、四人の子の親不孝を感じて少し悲しい気分になります。でも、急きょ駆けつけられないということは、みなそれぞれに独立した大人に成長しているということ。四人の宝が立派に育ったことは、それこそ、母にとって何よりの宝なのではないでしょうか。

 

人生相談 貯金も年金もない両親

 20代の大学生の男性。60代半ばの父と50代半ばの母は、貯金がなく、保険料も払っていないので年金もない。大学生の自分は今、奨学金とアルバイトですべての学費と生活費を賄い、さらに家のお金が足りないときは貸している。しかし、貸したお金を返してもらったことはない。4月からは就職することになっているが、母から「これからは生活が楽になるね」と言われた。つまり、老後の面倒を自分が見ることを期待されている。このままでは結婚をはじめお金を貯めることはできないし、なによりやる気が出ない。

 大学教授の回答。過剰な援助はできない、ときちんと意思表示をしてある一定以上の要求は突っぱねることも必要。お金以外のサポートはする心構えはもっていてもいいが、互いに経済的な自立ができるような道を探る方向を目指して。あなたの幸せが確保できないと、ご両親も幸せに暮らせない。このことを念頭においてください。

 必要に迫られて、とはいえ、とっても立派な質問者だと思います。ただ、これはそう簡単に処理できるような問題ではないですね。なまじ20年以上共に暮らしてきているものですから情はあるし、親が泣き落としにかかってきたら、なんとなく子が譲歩せざるを得ないという状況に追いやられてしまう恐れは多大です。老体に鞭打って働いてくれ、とも面と向かって言いにくいですし。やるせないですね。

 

おわりです。