読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2017年11月18日の読売新聞の感想

「無償化」対象絞り込み

 政府・自民党は,内閣の看板政策であるところの「人づくり革命」実現に向けて2兆円規模の政策の大枠を固めたとのことです.幼児教育・保育と高等教育の「無償化」に関しては,当面世帯の所得を勘案したものとなるようです.基本的には高所得者優遇を避けるような助成の出し方になっていきます.

 「無償化します!!」というのは,簡単だし言いやすいので言っちゃうのかもしれません.しかし全面無償化はやはり不公平感が生まれてしまうように思いますので,今回の骨子案は妥当に思えます.

 とはいえ,大学教育の無償化は理想的にはあったほうがいいよな,と思います.実力は評価されるべきなので,学費は持ってないけど大学に入れるくらいの学力がある人が大学に入りたかったら,入れてあげられる社会がいいですし,僕自身力になってあげたいと思います.

 しかし,学費が無償になったら,富裕層はこどもの塾代に回せるお金が増えて,受験の競争がより激しくなっちゃったりはしないだろうか,と考えると,手放しに歓迎するのもなんだかな,と思うのです.さらに,本当に大学無償化に価値が出るのは,国民の多くが学問の価値を認めている場合だけです.現在のように,工学や医学のような「役に立つ」学問だけにお金が集中して,文学や社会学のような学部が淘汰されるような社会では,無償化しても仕方ないと思います.学や教養のことを「腹の足しにもならない」というようにいうのも,種もみを食っちまうような北斗の拳アウトローと同じ考え方です.

 それともう一つ,学費がないけれども実力はあるという人が,学費をどうにか工面するという経験をすると,その人は一つ上のステージに上がれるようにも思います.お金を集めてくる方法はだれも制限していないので,それこそ問題解決能力の醸成につながると思います.もちろん,お金の工面に時間をかける必要がない方が勉強に集中できるという考え方もできますが,人の育つ環境は単純な足し引きでは判断できないという点は見逃せません.

 何が最善かはむずかしいですが,考え続けていかなければならないテーマです.

 

解説スペシャル 年金課税 改正限定的か

 来年度の税制改正の焦点の一つに高齢者の年金に対する課税の見直しがあります.問題のひとつは,年金受給者が会社で働くと公的年金等控除と給与所得控除のふたつが効いてしまうことです.今回の税制改正では,給与所得をもつ年金受給者全員でなく,会社役員など高所得者の控除を縮小する程度にとどめようという方針だそうです.また,公的年金等控除は120万円に対し,給与所得控除は67.5万円なので,その分だけ高齢者が優遇されているのが現状だそうです.

 裕福な高齢者も困窮している高齢者もいます.困窮した高齢者の負担が重くなると無理が効かないししっかり働けないので本当の意味で死んでしまう可能性もあるので慎重に扱うべき問題だと思います.金額が一律になれば公平なのかというとそうでもないですし.

 

おわりです.