2017年1月23日の読売新聞の感想
読売歌壇・俳壇
今週はこの歌が好きでした。
晴れわたりとほくちひさくヒコーキの見ゆる枯野をころげゆく児等
(館山市 山下祥子さん 選者:小池光さん)
ころげゆく、にすべてが詰まっていると思いました。小さな子供たちはヒコーキを追ってころげるように走り回っているのですね。夢中で遊ぶ子どもたちの様子をありありと思い浮かべさせられるワードです。ヒコーキがとほくちひさく見えるのの、少し手前、それでもとほくに児等もいるわけで、重層の表現にもなっています。ちょっと知った風なことを言うと、遠く飛び去るヒコーキと、いつかは遠くに行ってしまうであろう子どもたちが重なって、すこしの哀愁も呼び込んでいます。なにより、枯野を駆ける子どもたちという様子が好きです。
俳句はこれ。ダントツでこれです。
雪降り来かもめかもねを二度言へば
(笠間市 沢崎だるまさん 選者:正木ゆう子さん)
「かもめかもねを二度言へば」何がいいのかうまく説明できませんし、説明したとしてすこし嘘くさくなってしまいます。でも、今日のやつの中で一番、それもダントツで好きでした。
おわりです。