読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2016年8月11日の読売新聞の感想

iPS細胞 役立つ日近い

 iPS細胞の作製成功が発表されてから、今日で10年になるそうです。これまで順調にさまざまなことが調べられてきていて、実際の応用例も蓄積されてきています。臓器作製については、ブタを利用して肝臓を作らせるなどの技術が構想されていますが、その倫理的な問題点に議論が必要だという状況です。

 iPS細胞はすごくて、世界的にも予算の集まる技術ですから、急速に進歩して実用化は間違いないでしょう。今後自分が医療を受けることになる際に利用することになるかもしれません。つい最近までの僕は、「すごいけれどもあんまり身近な感じはしないなぁ、すごいけれども」という印象を持っていたのですが、この間生物系の大学院生と会って話をしたときに「実験でiPS細胞を調製することもある、でもあれはとっても時間がかかるし面倒くさい」という話を聞いて、一気に身近に感じました。身近というと語弊がありましょうか、自分の身体感覚と結び付けて考えられるようになりました。

 僕は大学院で遺伝子組み換え技術を利用した研究をしていたのですが、初めてその手法に触れたときに遺伝子組み換えが「近くなった」感じがしました。これと同様で、実際の現場での感覚に触れると、技術が「近くなる」ように思います。

 近頃思いを致していることがあります。月並みなのですが「実際に見ることはとても大事だ」ということです。このiPS細胞の話は、体験した生物に近い研究活動がベースにあり、大学院生の話が橋渡しとなって、実際の事として考えられるようになったというだけのことなのですが、自分が研究に従事したことがなければこういう感覚は得られなかったと思います。実際にiPS細胞をつくる人がいるし、その作業はめんどくさいし、失敗するし、時には手抜きされてしまうこともあるんです。

 自分のような想像力のない人間は、実際に体験したことに当てはめて理解しようとするしかないので、理解を増やすにはいろいろな体験をしなくては、と遅まきながら思っています。

 

スクールデイズ 足と人脈で広げた知の世界

 古生物学者・佐藤たまきさん(東京学芸大学准教授)の述懐です。佐藤さんは、フタバスズキリュウの研究業績が素晴らしい、数少ない古生物学研究者の一人です。東大入学直後、3年次の学部所属まで待ち切れず、浜田隆士先生の研究室を訪ねて勉強会などに参加したそうです。多くの大学院生と知り合い、良い書籍の紹介を受けたり化石発掘に参加させてもらったりしたそうです。当時はインターネットもなく、自分の足や人脈で情報を集めるしかなかったけれど、学ぶ世界がどんどん広がっていく喜びを感じたそうです。

 この記事も上記のことのような思いを抱きます。実際に足を運ぶことはとても大事ですね。僕は大学入学直後に「これをやりたい!!」という強い意志はなかったなぁ、もったいなかったなぁと少し後悔しています。これからでもできることなので、うまいことやっていきます。

 

おわりです。