読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2016年5月15日の読売新聞の感想

イタリアから読書便り 新しい言葉で表す感性

 イタリア在住のヤマザキマリさんの連載。自身のエピソードとともに本を紹介するコーナーです。

 「自分の国の言葉には無い言い回しや、自分が用いたくてもそこでは存在しない表現など、新しい言葉を使いこなすのは難しい。本来自分のものではない言語は虚勢や誇張を纏うゆとりを与えない。足りない語彙で、自分の内側にあるものを言葉に変えようとすればするほど、蕪雑で無防備な自分の姿が露わになる」と書いています。長いことイタリアで暮らしているヤマザキさんの、外国語についての感想です。このことに絡めて、インド系アメリカ人作家ジュンパ・ラヒリさんの「べつの言葉で」という本を紹介していました。この本の作者は、ベンガル語母語としながらも普段英語で生活しており、本自体はイタリア語で書かれているそうです。なれない言葉を使いこなせないもどかしさを通して、頂点には到達しない作品のあり方を実感できる、とヤマザキさんは述べていました。

 僕は英語を少しだけ話せる程度で、英語ではヤマザキさんの言う通り虚勢や誇張ができません。とにかく正直に事実を伝える、言えなければ言わないが、決してウソをつけない感じになってしまいます。そういう外国語の特質を利用した作品は一度読まなくては、と思いました。でも、原著をイタリアの母語話者が読むのと僕が日本語訳を読むのとだとまた感じ方も違うんだろうなぁ、と思います。難しいところです。

 

おわりです。