読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2018年2月28日の読売新聞の感想

8、9面 国際面

 見開きの国際面をざらっと眺めてみると、世界で起こっていることは大変激烈なことばかりだな、と思いました。載っていたのは、ロシア、中国、シリア、サウジアラビアベネズエラ、EU、マケドニア、アメリカのことです。

 ロシアは、連邦という位置づけなので多くの国々から成り立っています。タタルスタン共和はその国の一つで、トルコ系タタール人が約半数を占める国。公用語はロシア語とタタール語となっています。しかし、タタルスタン共和国当局は、プーチン大統領の意向を汲んで、小学校でのタタール語の授業を必修から外す、という判断を下したそうです。言語を取り上げることは、国民のアイデンティティを大きく揺るがす暴挙です。こんな時代にそんな乱暴なことがまだあるのか、と驚きました。

 一方中国では、習近平政権が国家主席の任期撤廃を掲げる改憲案を示したそうです。独裁につながる懸念から、国民の批判が噴出しているそうです。中国も結構言論統制が厳しいようですが、危険を冒してでも批判を表明したい国民が多くいることは重要なことだと思います。

 シリアでは、アサド政権と反政府勢力との戦乱が起こり続けています。27日から「人道的停戦」として1日のうち日中の5時間停戦することになっているそうです。しかし、アサド政権側はその時間帯に攻撃を行い18人の死傷者が出たそうです。記事には、戦争状態の地域で暮らさねばならない市民の惨状が細かく記されていました。

 こういった情報に関連すると、日本では9条の改憲などは緊張感を伴う話題ではあります。「戦争のできる国にするのか」といった批判は、戦争の悲惨さに嫌悪感をもち、起こしてはならないという強い気持ちがあるんだな、という点では納得しています(賛同はできませんが)。戦争ができないようにしておけば起こらないというわけではないし、自衛隊は戦力ではないというのはやっぱり無理があると思うので。北朝鮮に対しての防衛技術の話題も最近多いです。人が一気にたくさん死んでしまうような出来事は起こらないでほしいです。

 

東京大学入試問題(代ゼミの広告?)

 載っている教科が、国語、英語、世界史、日本史、地理でした。数学くらい載せればいいじゃないのよ、1行で済むやつあるでしょ、と思いました。

 

おわりです。

2018年2月25日の読売新聞の感想

昨日は、結局ためていた新聞を読むだけで終わってしまいました。5日分も読むと疲れてしまい感想を書くにまでいたりませんでした。和歌の感想ブログになりつつあるという意見も出ていますので、真剣にニュースの感想を書きます。

 

「露のクリミア」誇示 「領土」否定発言で服役

 ある男性は2014年末に、「クリミアはウクライナの領土」という旨の記事をSNSに書いて友人に拡散しました。ロシアは2014年3月にクリミア併合を宣言しており、その際刑法の改正を行っています。その改正刑法は「ロシアが領土と規定した土地を「領土ではない」と発言すると罪になる」というもの。記事を書いた男性は記事投稿の半年後、その法律を根拠に逮捕され、2年3か月服役することになってしまいました。出所後、当局の監視を受け続ける生活に耐え兼ね、妻子とともに泣く泣くウクライナへと亡命することになったそうです。

 この話は、言論の自由を奪うということで、ロシア国内のあまり平穏でない様子を感じさせます。そして、日本人の立場で見ると、北方領土は絶対返ってこないよね、という気持ちになりました。ロシアの国家は知らないところでかなりハードな行動をとっているんですね。ほかにも知らないことはたくさんありそうで怖いです。

 

おわりです。

2018年2月19日の読売新聞の感想

今週は全然読みませんでした.なので今夜たくさん読もうと思います.その手始めに,月曜の読売歌壇・俳壇について書きます.

 

読売歌壇・俳壇

 今週はこの歌が好きでした.

 生活の全てと思しき荷を横に少女は眠る明けのマックに

 (町田市 冨山俊朗さん 選者:小池光さん)

 一枚の写真のようなたたずまいがあり,気に入りました.

 

 俳句はこれが好きです.

 寒雀皆若かろう群をなし

 (東京都 駒形光子さん 選者:宇多喜代子さん)

 野生の生き物は,年齢不詳ですね.でもきっと若い.幼くては立派に暮らすことはできませんし,老い衰えれば死あるのみです.群れをなす雀たちを見ていて,どこかでなにかがつながったのでしょう.

 

おわりです.

2018年1月27日の読売新聞の感想

昨日の新聞の感想です.

 

時の余白に エピクテートスの自由

 編集委員 芥川喜好さんの連載記事.

 カヌーのある選手が,ほかの選手に妨害行為を繰り返していた事件に関連し,現代社会の「勝つこと」に対する価値の肥大化について述べていました.彼が感じていた重圧が,許されざる行為につながったのだろうが,彼はどうすればよかったのか.「勝つこと」の社会的意味が過剰であることに警鐘を鳴らしています.形式や結果を重視して,その内容内実を問わない社会の空気に虚無感すらある,と.

 この風潮に重要な示唆を与えるものとして中野孝次さんの『「閑」のある生き方』という本の一節を引用しています.

人の価値を決めるのは,社会的地位とか,権力,財力,体力とか,人気とか,有名とか,そんな外にある価値ではない.エピクテートスが見るのは,その人が自分の力の下にあることにおいていかに立派に生きているかという一事なのだ 

 エピクテートスの「自分の力のうちにあって自由になるものと,自分の力の内になくて自由にならぬものを峻別せよ」という思想によった考え方です.人の評価のような力の及ばぬ部分は放っておいて,力をこめられることだけに集中することが重要だ,というメッセージが込められた記事でした.

 カヌーの選手の話から始まるこの記事を読んで,先般のオリンピックで優勝と目されていた女子レスリングの吉田沙保里選手が銀メダルに終わってしまったときに,「ごめんなさい」と涙を流していた映像をみて胸が痛んだのを思い出しました.多くの支援を受けているのだから勝たなければならない,という考え方もあることはわかっていますが....

 競技者のみならず,なんらかの仕事に従事する人は,多かれ少なかれ期待を受けます.その重圧感はそれぞれにちがうはずですが,無邪気な期待が人を苦しめることがあることを肝に銘じなければ,と思いました.そして,自分も,エピクテートスの言に従い,期待に潰されないよう気を付けていきたいと思います.

 

おわりです.

2018年1月22日の読売新聞の感想

本年初ブログです.いろいろ立て込んでいて,余裕のない日々が続きました.リハビリがてら,よし書くか,という気分で昨日の新聞の感想を書きます.

 

読売歌壇・俳壇

今週の好きな歌はこれです.

よろこびの光の粒かななかまどに野鳥群がりほろほろ落ちぬ

 (千歳市 鶴谷雪子さん 選者:栗木京子さん)

 ななかまどは,赤くて小さい実をたくさんつける,かわいらしい木です(おいしくないです).ただ単純に,故郷の様子を思い出してノスタルジーを感じてしまいました.

 僕が短歌を詠むとき,固有名詞をうまく使うことができません.それは,その固有名詞に自分が抱く印象が,読み手にとって同じなのだろうか,と考えると二の足を踏んでしまうからです.でも,この作品を見て,作者は別に僕の故郷を思って読んだわけでなし,読み手がいいなぁと思えばそれはそれでいいので,臆せずいろいろ作ろうかしら,という気持ちにさせてもらいました.

 あと,今週のコーナーに知っている人の作品が載っていてうれしくなりました.

 俳句はこれです.

レモンハイ掲げ黙祷レノンの忌

 (川崎市 多田敬さん 選者:小澤實さん)

 レモンとレノンで韻を踏むのが面白いな,と思いました.

 

おわりです.

2017年12月9日の読売新聞の感想

所得増税 850万円超 最終調整

 会社員の所得控除が,税制改正によって見直されて年収850万円超の人は増税となるようです.7日まで,「800万円超」ということで自民・公明の税調がいろいろ根回しとかをして,「さて,これで行きますよ」と首相官邸に言ったら「いや,800万なんて同意した覚えはない.850万円超にしないとダメ」と言ったので,昨日話し合いをしてそういう方向になったそうです.どうも,伸びない消費に影響を与えたくない,という意識から増税対象をなるべく少なくしたいという考えのようです.

 800万円もお金もらってないし,それくらいもらえるようになるかどうかもわかんないので,800万でも850万でもどっちでもいいじゃん,という気持ちでもめている様子を見ていました.

 組織では,「なにかをしたい」「ここを変えたい」と思ったときに,根回し的なことや,説明を果たす必要があるため面倒ごとが多いな~と最近わかってきました.つまり,そもそも提案することで提案者にコストがかかるのです.これはマジでめんどくさくて,「こんなならそのままでいいや」となります.偉い人はこれを「コミュニケーション能力の欠如」といいます.提案システムの欠陥でもあると思います.

 

10連休?熱視線

 天皇陛下退位と,新天皇の即位がそれぞれ4月30日,5月1日と決まりました.即位日を祝日とすると,祝日法により前後の4月30日,5月2日が休日になり,2019年のゴールデンウイークが4月27日から5月6日までの10連休になります.一方,即位日が休日であれば飛び石連休になります.カレンダー業者は,12月には翌翌年分の印刷を始めるそうですが,決まっていないので困っているそうです.

 もちろん祝日になってほしいですね,天皇陛下のこれまでをねぎらうとともに新天皇の即位を心ゆくまで祝いたいので!!!

 

おわりです.

2017年12月3日の読売新聞の感想

地球を読む 高等教育無償化は愚策

 大体毎日1面と2面にまたがる形で載っている記事です.今日は劇作家の山崎正和さんが,高等教育無償化について論じていました.

 山崎さんは,これまでの文教政策には高等教育を受ける「意欲と能力」に関する視点が欠如してきたと指摘しています.先の総選挙でも「貧しい若者」の進学への公費援助についての言及ばかりで,当人の進学意欲に関してはあまり触れられていなかったと.

 また,一次産業や伝統工芸の職人,軽工業など高等教育でなく専門の研鑽への道を選び取った若者には不公平で,それに対する救済策を講じるべきであるとも述べています.この不公平の救済策として,義務教育の充実を挙げています.現在の義務教育の内容水準はきわめて高いが,その「習得」への目線が欠如しているので,そこを是正すべきだと.具体的には,義務教育に卒業試験も留年制度もない点をどうにかしたほうがいいとのことです.シンプルに言うと,「卒業=能力の習得」ということにしようということです.そして,こういった義務教育を尊敬し,大卒だからとか,中卒だからとか学歴での待遇の差がなくなるようにしなければなる必要があるとも述べています.

 上記の点が固まれば,高等教育を受ける若者,高等教育を受けずに働く若者を,一様に職業とみなすような制度を視野に入れることができるようになる,と考えているそうです.文章のおわりに非常に身近でキツい話題に言及していて,強く同感したので引用します.

だが学問を職業と見なすと言えば,現在の日本にはこれよりはるかに喫緊の大問題がある.すでに大学院を修了して研究現場に立ちながら,臨時採用の身分で将来の不安な若い学者があふれているのである.学問への意欲も能力も完全に証明された,これらの人材を放置したままで高等教育無償化を説くことは不謹慎と言っても過言ではないだろう. 

  以前,友人が教育無償化についてブログで言及していたことも踏まえて思うことが出てきたので書きます.

homahi0128.hatenablog.com

 この記事でも,友人のブログでも,重要な点は「教育を受ける人の意欲と能力」です.高等教育が万人に価値あるものではないという点も,見逃せない点です.正直自分も教育無償化には反対で,その理由は大して勉強していない大学生が多く見えるからです.意欲のない者の意欲をどのように引き出すか,というような議論を高等教育機関で真面目にやらなければならない状況は異常です.

 ただ,「高等教育が価値あるものである」と誰も思わない世になったらどうなるか,を考えると少し寒気がするのも事実です.というのは,引用した記事のような状況が今より甚だしくなることが予想されるためです.日本では博士号は歓迎されません.一方で,伝統工芸の職人を志す若者が尊敬のまなざしを多く受けているかというとそうでもなさそうです.

 この状況の原因として考えられることがいくつかあります.

  1. 大して勉強せずに高卒・大卒資格を得ることができ,しかも学校で学んだことを直接生かした仕事ができている人が少ないこと(この立場の人は,より高い学歴をもつ人とより低い学歴の人の価値を低く見積もる)
  2. 大学院などの高等教育を受けた人が,そうでない人を低く見ること
  3. 若くから専門職に就いた人が,高等教育を時間の無駄とみなしてしまうこと

 いささかステレオタイプな見方ですし,もちろんこれに該当しない人はいるでしょうが,形成された世論を見るとこのように分解できるのではないでしょうか.特に1.に該当する人が多いのでおのずとその立場にいる人の声が大きくなります.だれしも自分の経てきた道を良いものだと思いたいものです.そこで自分の経た道のよさをプレゼンするのであればいいのですが,ほかを貶めることによって相対的に自らの価値を高めたくなってしまうのも人情です.価値が高まらなくては予算が得られないとなれば,易きに流れてしまうのも致し方ないとも思ってしまいます.

 現代は,専門が細分化されていて,門外漢にはちょっとやそっとじゃ触れないことが多すぎます.これも友人の言ですが,一部のエリートだけで政策を決定するような政治にするのも一つの手だと思います.

 

おわりです.