読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2017年10月28日の読売新聞の感想

受信料制度 初の憲法判断へ

 NHKの受信料についての裁判の話題です.放送内容の偏りを理由に受信契約を拒否した男性を,NHKが訴えた裁判が,最高裁までいっています.放送法64条1項が定める「受信設備の設置者は受信契約をしなければならない」という点と,憲法が保障する「契約の自由」とのかかわりが最大の争点です.被告の男性側は,受信料を「テレビ視聴の対価」ととらえ,受信契約強制の必要性はなく放送法違憲である,と主張しています.

 憲法上の権利である「契約の自由」ですが,公共の福祉との兼ね合いで,その権利は制限されうるという点がこの件では重要です.NHKが公共の福祉に資する存在であり,その維持のために合理的な方法である,となればNHKが勝ちます.

 現状のNHKの姿勢として「広告料で運営すれば公共放送の趣旨に反する.税金で運営すれば国家からの独立とはいえない」ということで現在のような形をとっているとのことです.

 被告の男性の主張の肩を持ちたいのですがそうなってしまうと,見ていても「見ていません」と言えば受信契約を拒むことができることになり,NHK敗訴はNHK消滅への布石になってしまうように思います.NHK消滅はさすがにまずいと思います.ただ,本当に見てなくても払わなければならないという今の状況もおかしなことだと思います.視聴時間の把握ができるような技術ができないものでしょうか.今の法制度の判断をどうこう議論するより,その方が建設的なのではないでしょうか.そうすれば,ワンセグ機能付き携帯電話の受信契約義務に関しても解決できるようになります.正直あんなものでテレビを見る人なんてどれだけいるのか疑問です.その裁判も地方と高裁で判断が割れていますが,ワンセグだけしかない場合は払わなくてよくなってほしいです.

 もうひとつおかしいなと思うのは,公共の福祉に~と主張するのになぜ受信機所持者だけが負担しなければならないのか,という点です.テレビ不所持者と,テレビを所持しているが1年間1秒もテレビを見ていない者との間に「NHKの電波受信」ということに関して差はあるでしょうか.もし後者に負担の義務があるのであれば,テレビ不所持者からも料金を徴収していいのでは.

 現在のテレビをとりまく状況が法律制定時から大きく変わっているので,考え直さなきゃならない部分だと思います.

 

おわりです.