読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2017年6月14日の読売新聞の感想

JR西脱線 歴代トップの責任認めず 

 2005年4月のJR福知山線脱線事故(死者106人の大事故です)について、当時のダイヤや線路の安全管理についての責任の有無が争点となっていた裁判が終結したそうです。ダイヤの策定や線路の管理責任があったJR西日本の歴代社長3人が被告となっていましたが、全員が無罪という判決になりました。

 1996年に、事故現場のカーブを急角度にする工事が完了し、その翌年に快速電車の本数を増やすダイヤ改正が行われました。このことについて「カーブが急角度になったこと、ダイヤ改正を行って本数を増やしたことから、事故の危険性は予見できたのに、自動列車停止装置(ATS)の整備を指示すべき注意義務を怠った」、「運転士が大幅な速度超過をすれば事故が発生するという認識があれば、注意義務が発生する」という主張で告訴されていました。

 これに関し、

  1. 事故前の法令ではATSの整備は義務でなく、大半の鉄道事業者は整備していなかった
  2. JR西の管内に現場と同様のカーブが2000か所以上あるため、現場のカーブだけが特別に危険だと予測することは大変困難

という2点を挙げ、無罪が確定したようです。

 事故当時、制限時速を45 km/hも上回る115 km/hの速度で脱線してしまったということで、JR西日本は安全への注意が欠落していたとの責めは免れえませんが、この裁判の判決に関しては僕としては納得がいきます。もちろん、被害者遺族が「トップが罰されなくては今後このようなことは繰り返される」と主張する気持ちはわかりますが、それでも「トップの責任」という意味ではあまりにピンポイントすぎて負いきれないだろうと思います。罰される誰かが存在しないのは、やりきれないとは思いますが…

 

おわりです。