2017年2月6日の読売新聞の感想
四季
しろたへの鞠のごとくに竈猫
(飯田蛇笏 『猫の国語辞典』より)
毎日俳句か短歌を紹介する小さなコーナー。最近は猫の国語辞典という句集?から猫にまつわる俳句が紹介されています。
今日のこれ、想像するだに見てみたいです。
竈が家にあったころ、猫は竈の中で丸くなった。たまには火が残っているとも知らずにもぐりこみ、あわてて飛び出すこともあった。この句、美しい白猫が灰まみれになって眠っている。竈も竈猫も見かけなくなった。
全文引用してしまいました。火のところにもぐり込んで飛び出す猫、見てみたいし灰まみれの箱座りで眠る猫もまた乙なものでしょう。何とも魅力的な生物です。
読売歌壇・俳壇
今日はこの歌。
右肩の下がる歩行を指摘され素直に認む「もういいのです」
(舞鶴市 吉富憲治さん 選者:小池光さん)
「もういいのです」と言う場合、ちょっとやってみたけれどできない場合とずーっとやってきたけどできない場合の二通りがあるように思います。ずーっと癖になっていることが、時間の重みを感じさせて、「もういいのです」の一言がズシリと重くなっています。きっとこれから僕も「もういいのです」と言う機会に巡り合うことでしょうけれど、そこに重みを込められるようにしたいです。
俳句はこれです。
書初の大の一字のすわりよき
(由利本荘市 松山蕗州さん 選者:宇多喜代子さん)
なんだか問答無用に頭の中に思い浮かべさせられる大きな「大」の字。ものすごい腕力の俳句だなぁと思いました。
おわりです。