2016年11月28日の読売新聞の感想
読売歌壇・俳壇
今週の短歌はこれが好きです。
一途なるものは美し交尾せる深山あかねの翅きらめきて
(稲城市 山口佳紀さん 選者:小池光さん)
赤とんぼの交尾に一途さを感じ取り、その美しさに感じ入った。一シーズンで代が変わってしまうとんぼは、交尾に必死になっているとは思えませんが、つがいのつながりとんぼはピンとまっすぐ一本の線となり、一途!という感じがします。
僕の良くないところの一つは「一途!という感じがします」というような何も言ってないまとめ方をしてしまうところですが、すぐになくすのは難しいので少しずつ減らしていくようにします。
俳句はこれです。
こんな俺になんで止まるか赤とんぼ
(越谷市 小玉孝男さん 選者:矢島渚男さん)
「こんな俺に」にどういう意味がこもっているのかを想像するのが楽しいです。僕はひと目見て、なにか悲しいことがあったあとに道を歩いているおじさんを想像しました。そしてふと気づくと止まっている赤とんぼ。そして一句。少しだけ励まされた心持ち。
コンセプトがあったわけではないですが、短歌も俳句も赤とんぼの作品を選んでしまいました。僕自身は今年、まだとんぼを見ていないよな気がします。
おわりです。