読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2016年11月9日の読売新聞の感想

博多陥没 インフラ破壊

 博多駅前の道路が陥没し、大きな穴が開いてしまったそうです。深さ最大15メートル、長さ30メートル、幅27メートルの大穴です。市営地下鉄七隈線の延伸工事でトンネルを掘削中、地下水が流入し陥没が起こってしまったとみられています。市交通局は、この大規模陥没の前にも二度陥没事故を起こしており、今回かなり怒られるそうです。1回目は2000年6月、長さ10メートル、幅5メートル、深さ8メートルの穴。2回目は2014年10月、長さ5メートル、幅・深さ4メートルの穴で、今回の現場から300メートルほどしか離れていないところだったそうです。けが人はいないそうです。

 代表的なトンネルの掘り方にはシールド工法(安全だけど掘れる空間が少ない)とナトム工法(少し危険があるけど掘れる空間が多い)の2種類あり、今回は駅のホームを作らなければならないため空間が必要で、後者の方法をとっていたそうです。とはいえ地下水が出る・出ないの予測は困難であるという側面もあるそうです。

 この事故の写真はツイッターで見たのですが、かなりびっくりしました。ゴジラの映画みたいだよ、と思いました。起こったのが早朝の人が全然いないときで本当に良かったですね。作業員の人も巻き込まれずに全員無事だったというのは、不幸中の大幸いだと思いました。

 

解説スペシャル 衆参選挙制度 解釈で割れる

 7月の参院選について、「1票の格差」訴訟の各高裁の判断が出そろったそうです。結果は、違憲の判断はなく、違憲状態が10、合憲が6というものでした。

 これについて、社説では「踏み込み過ぎもある高裁判決」という見出しがつけられています。国会(与党)が軒並み5倍ほどだった格差を今回の参院選では3.08倍まで小さくしたという働きを軽視して「違憲状態」と判断した高裁がある、と強い反発の意見を述べています。衆院の基準で参院の区割りを語ることや、参院が各都道府県の代表的性格を持つことを踏まえて総合的な判断を下してほしい、とのことです。

 原告(違憲では?と言ったほう)の弁護側は、著しい不平等とは言えないため合憲とした判決について、「著しくない不平等であればいいという問題ではない」と述べています。まぁそうだが、とは思います。

 僕個人的には合区はあんまりよくないと思っていて、それは単純に各都道府県から一人は国会議員がいたほうがいいと思うからです。1票の格差は議員一人当たりの有権者数ですから、たとえば1000人の有権者がいる地区と2000人の有権者がいる地区では、1000人の地区の1票のほうが価値が高いことになります。このように数字で計算する価値にどれほどの意味があるのか疑問です。政治家は、日本全国各地域の声を国会に持ち寄って隅々まで良くする義務があると僕は考えます。その場合は当然、地域に根差した活動の仕方が必要になってきます。それぞれの県にひいき目を持った立場の議員が集合して、多様な議論を行ってもらうべきです。そういう意味で、数字で単純に判断できる話ではないと思うのです。確かに数字が大きくなりすぎるのは問題ですが、現在の都心へ人口が集中する状況も止めにくいですし、選挙制度まで人口の中心に寄り添うようになっては全部都心一極集中になってしまうのでは。

 憲法改正にあたって、参議院の地方代表的性格を明記したいという話もあるようで、「あぁ、そういう話にもなるんだ」と思いました。ただ、これの実現はあまり現実的ではなさそうです。

 

論点 「横綱昇進の条件」独り歩き

 横綱審議委員会千葉大名誉教授(整形外科)の守屋秀繁さんが分を寄せています。横綱推薦の内規の独り歩きが心配だそうです。

横綱推薦の内規

第1項 品格、力量が抜群

第2項 大関で2場所連続優勝

  この第2項が横綱昇進の条件のようになっていることを危惧しているそうです。というのも、守屋さんは横綱の「安定感」を大事に思っているそうです。なので、時に爆発的に強くて2場所連続優勝するもその後くすぶっている、というパターンが多い一方、各場所で安定的に勝っているけれども優勝にはつながらず昇進できない、しかし横綱には適格であろうという力士もいるので、評価基準を見直してはどうか、と思っているそうです。

 横綱ってどうやったらなれるんだろうかと漠然と疑問に思っていましたが、こういう基準があって、こういう問題があるんだ、と二つのわかりが同時に得られたいい記事でした。

 

世界陸上へ 駆ける 選手展望 上

 マラソンの吉田香織選手(TEAM R×L)が強いそうです。前回のさいたま国際マラソンで2時間28分43秒と日本勢トップ、総合二位をとっており、今月13日の同大会でも期待が持たれています。8月の北海道マラソンでも日本人トップだったそうです。陸上一本でやってこれたわけではなく、積水化学資生堂とクラブチームを経験した後にはチームには所属せず、普通に働きながらマラソンに取り組んでいます。練習は、20㎞以上の距離走は行わず、200mにインターバルなどでバネのある走りを磨くスタイルだそうです。

 僕は陸上部で長距離ランナーでしたが距離走が嫌いで、インターバルだけやってたかったタイプです。5000mの試合をやるのに5000m以上走る意味はないとさえ思っていました。だから吉田選手が活躍するということは自分のスタイルも悪くなかったんだよ、といってもらえるのと同じことなので頑張ってほしいです。もちろんそういう邪な気持ちだけでなく、単純に頑張ってほしいです。

 

江戸幽閉の宣教師 柔和な顔

 国立科学博物館が江戸時代にイタリアから渡ってきた宣教師ジョバンニ・シドッチさんの骨から顔を復元したそうです。江戸時代キリスト教が禁教の折、現在の東京文京区にあった「切支丹屋敷」に幽閉されたそうで、新井白石の尋問を受けたという記録もあるそうです。国立科学博物館人類研究部の研究主幹の方は「もう少し怖い顔になるかと思ったが、意外と柔和な雰囲気になった」と話しているそうです。

 最近遠藤周作の「沈黙」(江戸時代、キリスト教の宣教師が辛い目に遭う話)を読んだので、反応してしまいました。この人もつらい目にあったに違いありません。胸が痛い。

 

おわりです。