読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2016年10月31日の読売新聞の感想

氷河期世代を正社員化

 就職氷河期だった1990年代後半から2000年代前半に高校・大学を卒業して、現在は無職だったり非正規社員の人を採用した企業に助成金を出すことを政府が決めたそうです。条件を細かく言うと「過去10年に5回以上の失業や転職を経験した35歳以上の無職や非正規社員」とのことです。中小企業で年額60万円、大企業で50万円だそうです。また、一気に支給するのではなく、定着度を見極めるために勤務開始から半年後と一年後の二回に分けて支給するようです。政府はこれをインセンティブとして、正社員で働ける人を増やしたいという考えだそうです。

 自分が経営者だったらそれっぽちの支給でそんなリスキーな採用をしたくならないなぁと思いました。

 

社説 調査捕鯨

 捕鯨に関する日本の立場について書いてありました。調査捕鯨は大切だとして、多角的な目線で論を展開していかなければならないということでした。

 びっくりしたのは、「商業捕鯨の停止で増えたクジラがサンマなどの魚をたくさん食べて、漁業資源を圧迫しているという指摘がある」という記述です。やっぱり世界のいろんなことは影響しあっているのだなぁと思いました。

 あと、なんで海の哺乳類って特別視されがちなのかなぁと思いました。

 

読売歌壇・俳壇

 今週はこの歌が好きでした。

 雨でしたひとつひとつもそれぞれもあなたに濡れる意気地のなさも

 (枚方市 久保哲也さん 選者:俵万智さん)

 「ひとつひとつもそれぞれも」のリズム感が好きでした。黒い曇り空から雨が落ちてくるところからその粒ひとつひとつに目が移り、つづいて目を下へ移したときに雨に濡れた男性が涙を落とす、という映像の流れが思い浮かびました。そして、結句の「意気地のなさも」は通常の文末と異なっていて一句目に続けることができるので、ぐるぐるとめぐる後悔の気持ちも自然と表現されているような感じがしました。全体的にネズミ色の寂しげな風景ですが、僕はネズミ色の寂しげな風景が好きです。

 

 俳句はこれが好きでした。

 トンボさへ仲良きことは美しき

 (土浦市 今泉準一さん 選者:矢島渚男さん)

 つながったトンボがすんすんと空をいく夕方の、オレンジの景色がありありと広がりました。仲良きことは美しき。その通りだと思います。

 

取材せず逸話捏造

 中日新聞が連載していた貧困についての記事に捏造があった、ということで、中日新聞は30日の朝刊に社内調査に基づく検証記事を載せたそうです。青山学院大のメディア倫理の教授・大石康彦さんは、「取材ができていないのになぜ上司が原稿を通したのかといった問題に踏み込んでおらず、不十分だ」という意見を寄せています。上智大のメディア論の教授・音好宏さんも、「検証記事は再発防止策に触れておらず、全体として認識が甘い印象を持った」という意見だそうです。

 僕がもし中日新聞を購読していたとしたら、即刻購読を取りやめるなぁと思いました。

 

おわりです。