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読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2016年10月16日の読売新聞の感想

地球を読む 広がる「虚偽」で世論誘導

 慶応大学教授細谷雄一さんの論説。近頃どこの国でも、真偽のほどは定かではない(むしろウソの)ビビッドな情報を流布することで市民の感情を煽り、状況を自分たちの望む方向へと持っていこうとする政治手法が横行しているそうです。これを「スピン(情報操作)」といい、このスピンが横行するようになった政治の世界は「真実後」とよばれているようです。

 細谷教授は、イギリスのEU離脱にもスピンが行われていたことを指摘しています。残留派だったキャメロン首相が可能な限り客観的なデータを準備し公開(3000ページにも及ぶ文書!)した一方、離脱派の議員はウソのデータ(英国の法律の75%はEUで立法されている、EUに支払っている拠出金は3.5億ポンドである(実際はその1/3ほど))を流布しており、それがイギリスの国民投票の結果を大きく左右したということです。日本でも安保法制が取りざたされている際の、徴兵制の強調などは「真実後の政治」と考えてよいと書いてありました。

 信頼を得るには行動の積み重ねが必要で、それには時間がかかるものですから、長期的な目でものを考えなければいけないのですがいろんなものの入れ替わりや競争が激しすぎて無理なんじゃないかなぁと思います。

 

論点スペシャル 大隅教授が鳴らす警鐘

 ノーベル賞を受賞した大隅良典東工大栄誉教授が、基礎研究に従事する研究者たちの未来を案じるような発言をしています。それを受けて3人の識者が意見を寄せています。

 東工大学長の三島良直さんは「有力な教授の獲得した資金を基礎研究に振り向けること、予算の透明化と各研究室から家賃を取ることで節約するという二点で研究費の問題にコミットしようとしている。現在のゆとりのない研究環境を、10年、20年の展望で変えていきたい」と述べていました。

 経団連産学官連携推進部会長の永里善彦さんは「日本の大学はどこにどれだけどのように人材と資金が投入されたかを透明化したり、明確な目標を立てたり、界隈にどんな研究者がいてどんな研究が行われているかを明確に知らせていくなどビジネス的な姿勢をもうすこし伸ばさねばならない」と述べていました。

 東京大学教授で社会学者の吉見俊哉さんは「『役に立つ』には『目的遂行型』と『価値創造型』の2種類ある。後者は価値や目的自体を新たに創り出す有用性であり、そのような研究には文系・理系ともに予算が付きにくい。その結果、有能な研究者が食うに困るような状況ができている。国は、長期的な視点で大学院生の定員を絞り込んででも長い目で教育や研究を支えていくべきだ」と述べていました。

 吉見さん以外は全く大隅先生の話をあまり理解できていないと思いました。三島さんは東工大の全研究者を絞り上げていますということしか言っていないし、永里さんは基礎研究でも役に立てと言っています。その中で吉見先生はきちんとした状況認識の下で方策を提案していて納得感がありました。とはいえ、よくわからないものにジャブジャブお金をつぎ込むわけにもいかないので永里さんの主張は理解はできますし、それは大学側も気を付けたほうがいいことだとも思います。

 

おわりです。