読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2016年2月16日の読売新聞の感想

イスラムと社会 エジプト

 2012年エジプトで、コーランの「貧しい人に施しをせよ」に基づき、1万エジプトポンドの借金を帳消しにするという制度があったそうです。当時の大統領モルシさんが言い出したらしいですが、銀行によっては「そんなアホな」といったノリで借金帳消し政策に応じなかったり、対応した銀行も金融システムの崩壊を危惧する事態になったそうです。

 こんな徳政令みたいなことが現代に行われたとは、驚きでした。記事には、「宗教の教えと現実の政治がごちゃ混ぜになっている」という批判の声が載っていました。まさにそれはそうだな、と思います。日本国憲法も、改正したほうがいいという声が大きくなってきましたが。その理由も「時勢に合わないから」というのが多いでしょう。それとおんなじで大きな宗教もそろそろ時世に合わなくなってきてるんじゃないかと思います。だって、いくら敬虔な信者でも、信仰だけではメシが食えないなんてことは理解しているはずです。この記事ではイスラムですけども、理想はあれど一定の落としどころを置くことを前提にした教えには、僕のような真面目な人間は従えません。普通の生活をするだけで戒律違反になってしまいます。そして、僕は真面目なので戒律違反を非常に気に病み、ついには病気になってしまうと思います。

 僕のような浅い見方で宗教そのものを論ずるのは愚かだと思う人もいるかもしれません。でも、上述の意見はいたずらに宗教を批判しているわけではありません。僕は宗教は必要だと感じています。数学の考え方に染められているため、いろいろなものを一般化するあまり、いろいろなものを宗教と言ってしまうほどです。

 新興宗教というだけで眉を顰める人は多いと思いますが、これからの世の中には今後数千年続くような新興宗教が必要なのではないかと思うのです。

 ちなみに、冒頭の話題のモルシ元大統領は後の政権の意向により死刑判決を受けたそうです。信仰とはなんなのか、といった気持ちになりますね。

 

開成高校の試験問題が載った広告

 解いてみたのですが、大問1(小問集合)でなんか間違えてしまいました。言い訳をすると、飲酒をしていたのと、計算スペースが狭かったのです。こんな気楽に受験問題を解いて遊べるというのも、大人になったなぁという気持ちになります。

 

直木賞に決まって 青山文平

 青山さんの経験が語られていて、非常に耳目をひかれました。もともと文学青年でも読書好きでもなかったという青山さんは、出版社の企業広告コピーライターとしての職を得たことが小説を書くきっかけとなったそう。コピーライターとしての経験が「限られた字数のなかでいかに何かを言う」ということを徹底的に鍛えられたといいます。

 そして、そういう技術的なところに加え、編集が主流の出版社の中で特殊な仕事をする自分の存在理由を追求する必要があったといいます。

 言葉の技術を磨けば存在理由の追求も深まり、最後には自信を取り巻くものへと広がって小説という形をとったそうです。

 自動的に高めあう仕組みが、彼の中にはあったということが、僕を興奮させました。仕組みはいつも僕の気分を高ぶらせます。そしてそのきっかけは、会社の要請、すなわち何らかの強制力だったということも。成長というのは、そういうものなのだと、強く思わせてもらいました。

 近頃は強制力を過剰に嫌っている人が目につきます。強制する者の裏には、何か悪が潜んでいる、疑え!といった考え方を感じます。もちろんそういう側面もあると思うんですが、そうでない場合も多いと思うんです。

 ある行動が引き起こす結果を正確に予知することなんてできないはずなんです。もちろんある程度考えて、現実的な落としどころを設定した計画を立てることは必要です。そして、計画の良し悪しを評価することも重要です。

 でも、ここに落とし穴があります。計画を立てる場合、不確実性が必ず残ります。一方、計画を評価する場合、評価するに十分なデータがそろっています。説得力は、後者が圧倒的です。今、多くの人はその力に酔いしれているのではないかと思っています。

 ある計画に反論するのはラクです。そんなラクをして、わざわざ自分にさほど影響のないことに反論をしたためるよりも、その計画をよくする方向で声をかければいいのでは、と思います。

 

短歌コーナー

 今週は、下田市 納富つま子さんの作品(選者 小池光さん)

大学の受験願書を仏壇の祖父に供へて孫は額づく

というのがいいなと思いました。情景が立体的でした。その姿を眺める詠み人の気持ちはどんなだろうと。

 この短歌コーナーは選者が4人いて、その中に俵万智さんがいます。俵万智さんの選ぶ歌は、ほかの3人とは明らかに違い、現代短歌っぽいです。そして、それが断然好きです。

 

おわりです。今日は酔っぱらいながら読んで書いたので、少し変な文かもしれません。