読売新聞の感想

読売新聞を読んで思ったことを書きます。

2018年1月22日の読売新聞の感想

本年初ブログです.いろいろ立て込んでいて,余裕のない日々が続きました.リハビリがてら,よし書くか,という気分で昨日の新聞の感想を書きます.

 

読売歌壇・俳壇

今週の好きな歌はこれです.

よろこびの光の粒かななかまどに野鳥群がりほろほろ落ちぬ

 (千歳市 鶴谷雪子さん 選者:栗木京子さん)

 ななかまどは,赤くて小さい実をたくさんつける,かわいらしい木です(おいしくないです).ただ単純に,故郷の様子を思い出してノスタルジーを感じてしまいました.

 僕が短歌を詠むとき,固有名詞をうまく使うことができません.それは,その固有名詞に自分が抱く印象が,読み手にとって同じなのだろうか,と考えると二の足を踏んでしまうからです.でも,この作品を見て,作者は別に僕の故郷を思って読んだわけでなし,読み手がいいなぁと思えばそれはそれでいいので,臆せずいろいろ作ろうかしら,という気持ちにさせてもらいました.

 あと,今週のコーナーに知っている人の作品が載っていてうれしくなりました.

 俳句はこれです.

レモンハイ掲げ黙祷レノンの忌

 (川崎市 多田敬さん 選者:小澤實さん)

 レモンとレノンで韻を踏むのが面白いな,と思いました.

 

おわりです.

2017年12月9日の読売新聞の感想

所得増税 850万円超 最終調整

 会社員の所得控除が,税制改正によって見直されて年収850万円超の人は増税となるようです.7日まで,「800万円超」ということで自民・公明の税調がいろいろ根回しとかをして,「さて,これで行きますよ」と首相官邸に言ったら「いや,800万なんて同意した覚えはない.850万円超にしないとダメ」と言ったので,昨日話し合いをしてそういう方向になったそうです.どうも,伸びない消費に影響を与えたくない,という意識から増税対象をなるべく少なくしたいという考えのようです.

 800万円もお金もらってないし,それくらいもらえるようになるかどうかもわかんないので,800万でも850万でもどっちでもいいじゃん,という気持ちでもめている様子を見ていました.

 組織では,「なにかをしたい」「ここを変えたい」と思ったときに,根回し的なことや,説明を果たす必要があるため面倒ごとが多いな~と最近わかってきました.つまり,そもそも提案することで提案者にコストがかかるのです.これはマジでめんどくさくて,「こんなならそのままでいいや」となります.偉い人はこれを「コミュニケーション能力の欠如」といいます.提案システムの欠陥でもあると思います.

 

10連休?熱視線

 天皇陛下退位と,新天皇の即位がそれぞれ4月30日,5月1日と決まりました.即位日を祝日とすると,祝日法により前後の4月30日,5月2日が休日になり,2019年のゴールデンウイークが4月27日から5月6日までの10連休になります.一方,即位日が休日であれば飛び石連休になります.カレンダー業者は,12月には翌翌年分の印刷を始めるそうですが,決まっていないので困っているそうです.

 もちろん祝日になってほしいですね,天皇陛下のこれまでをねぎらうとともに新天皇の即位を心ゆくまで祝いたいので!!!

 

おわりです.

2017年12月3日の読売新聞の感想

地球を読む 高等教育無償化は愚策

 大体毎日1面と2面にまたがる形で載っている記事です.今日は劇作家の山崎正和さんが,高等教育無償化について論じていました.

 山崎さんは,これまでの文教政策には高等教育を受ける「意欲と能力」に関する視点が欠如してきたと指摘しています.先の総選挙でも「貧しい若者」の進学への公費援助についての言及ばかりで,当人の進学意欲に関してはあまり触れられていなかったと.

 また,一次産業や伝統工芸の職人,軽工業など高等教育でなく専門の研鑽への道を選び取った若者には不公平で,それに対する救済策を講じるべきであるとも述べています.この不公平の救済策として,義務教育の充実を挙げています.現在の義務教育の内容水準はきわめて高いが,その「習得」への目線が欠如しているので,そこを是正すべきだと.具体的には,義務教育に卒業試験も留年制度もない点をどうにかしたほうがいいとのことです.シンプルに言うと,「卒業=能力の習得」ということにしようということです.そして,こういった義務教育を尊敬し,大卒だからとか,中卒だからとか学歴での待遇の差がなくなるようにしなければなる必要があるとも述べています.

 上記の点が固まれば,高等教育を受ける若者,高等教育を受けずに働く若者を,一様に職業とみなすような制度を視野に入れることができるようになる,と考えているそうです.文章のおわりに非常に身近でキツい話題に言及していて,強く同感したので引用します.

だが学問を職業と見なすと言えば,現在の日本にはこれよりはるかに喫緊の大問題がある.すでに大学院を修了して研究現場に立ちながら,臨時採用の身分で将来の不安な若い学者があふれているのである.学問への意欲も能力も完全に証明された,これらの人材を放置したままで高等教育無償化を説くことは不謹慎と言っても過言ではないだろう. 

  以前,友人が教育無償化についてブログで言及していたことも踏まえて思うことが出てきたので書きます.

homahi0128.hatenablog.com

 この記事でも,友人のブログでも,重要な点は「教育を受ける人の意欲と能力」です.高等教育が万人に価値あるものではないという点も,見逃せない点です.正直自分も教育無償化には反対で,その理由は大して勉強していない大学生が多く見えるからです.意欲のない者の意欲をどのように引き出すか,というような議論を高等教育機関で真面目にやらなければならない状況は異常です.

 ただ,「高等教育が価値あるものである」と誰も思わない世になったらどうなるか,を考えると少し寒気がするのも事実です.というのは,引用した記事のような状況が今より甚だしくなることが予想されるためです.日本では博士号は歓迎されません.一方で,伝統工芸の職人を志す若者が尊敬のまなざしを多く受けているかというとそうでもなさそうです.

 この状況の原因として考えられることがいくつかあります.

  1. 大して勉強せずに高卒・大卒資格を得ることができ,しかも学校で学んだことを直接生かした仕事ができている人が少ないこと(この立場の人は,より高い学歴をもつ人とより低い学歴の人の価値を低く見積もる)
  2. 大学院などの高等教育を受けた人が,そうでない人を低く見ること
  3. 若くから専門職に就いた人が,高等教育を時間の無駄とみなしてしまうこと

 いささかステレオタイプな見方ですし,もちろんこれに該当しない人はいるでしょうが,形成された世論を見るとこのように分解できるのではないでしょうか.特に1.に該当する人が多いのでおのずとその立場にいる人の声が大きくなります.だれしも自分の経てきた道を良いものだと思いたいものです.そこで自分の経た道のよさをプレゼンするのであればいいのですが,ほかを貶めることによって相対的に自らの価値を高めたくなってしまうのも人情です.価値が高まらなくては予算が得られないとなれば,易きに流れてしまうのも致し方ないとも思ってしまいます.

 現代は,専門が細分化されていて,門外漢にはちょっとやそっとじゃ触れないことが多すぎます.これも友人の言ですが,一部のエリートだけで政策を決定するような政治にするのも一つの手だと思います.

 

おわりです.

2017年11月18日の読売新聞の感想

「無償化」対象絞り込み

 政府・自民党は,内閣の看板政策であるところの「人づくり革命」実現に向けて2兆円規模の政策の大枠を固めたとのことです.幼児教育・保育と高等教育の「無償化」に関しては,当面世帯の所得を勘案したものとなるようです.基本的には高所得者優遇を避けるような助成の出し方になっていきます.

 「無償化します!!」というのは,簡単だし言いやすいので言っちゃうのかもしれません.しかし全面無償化はやはり不公平感が生まれてしまうように思いますので,今回の骨子案は妥当に思えます.

 とはいえ,大学教育の無償化は理想的にはあったほうがいいよな,と思います.実力は評価されるべきなので,学費は持ってないけど大学に入れるくらいの学力がある人が大学に入りたかったら,入れてあげられる社会がいいですし,僕自身力になってあげたいと思います.

 しかし,学費が無償になったら,富裕層はこどもの塾代に回せるお金が増えて,受験の競争がより激しくなっちゃったりはしないだろうか,と考えると,手放しに歓迎するのもなんだかな,と思うのです.さらに,本当に大学無償化に価値が出るのは,国民の多くが学問の価値を認めている場合だけです.現在のように,工学や医学のような「役に立つ」学問だけにお金が集中して,文学や社会学のような学部が淘汰されるような社会では,無償化しても仕方ないと思います.学や教養のことを「腹の足しにもならない」というようにいうのも,種もみを食っちまうような北斗の拳アウトローと同じ考え方です.

 それともう一つ,学費がないけれども実力はあるという人が,学費をどうにか工面するという経験をすると,その人は一つ上のステージに上がれるようにも思います.お金を集めてくる方法はだれも制限していないので,それこそ問題解決能力の醸成につながると思います.もちろん,お金の工面に時間をかける必要がない方が勉強に集中できるという考え方もできますが,人の育つ環境は単純な足し引きでは判断できないという点は見逃せません.

 何が最善かはむずかしいですが,考え続けていかなければならないテーマです.

 

解説スペシャル 年金課税 改正限定的か

 来年度の税制改正の焦点の一つに高齢者の年金に対する課税の見直しがあります.問題のひとつは,年金受給者が会社で働くと公的年金等控除と給与所得控除のふたつが効いてしまうことです.今回の税制改正では,給与所得をもつ年金受給者全員でなく,会社役員など高所得者の控除を縮小する程度にとどめようという方針だそうです.また,公的年金等控除は120万円に対し,給与所得控除は67.5万円なので,その分だけ高齢者が優遇されているのが現状だそうです.

 裕福な高齢者も困窮している高齢者もいます.困窮した高齢者の負担が重くなると無理が効かないししっかり働けないので本当の意味で死んでしまう可能性もあるので慎重に扱うべき問題だと思います.金額が一律になれば公平なのかというとそうでもないですし.

 

おわりです.

2017年11月17日の読売新聞の感想

今日18日は暇なので,昨日の分と今日の分の新聞の感想を書きます.まずは17日の分から.

 

受動喫煙 厚労省が譲歩

 オリンピックの開催決定をきっかけに真剣な議論が始まった飲食店の喫煙規制のお話です.受動喫煙の防止を目的として,まず最初に出された案は以下のようなもの.

・原則,喫煙専用室以外での喫煙を認めない

・店舗面積30平方メートル以下のバーやスナックなどに限り,店頭に喫煙可能と表示すれば喫煙可能 

 この案は,塩崎前厚労相が主導し,日本医師会なども後押ししていました.しかし,自民党政調から「喫煙室の設置は飲食店にとって負担が重い」ということで反発が出ていました.

 この記事では,厚労省が新たな案として,次のようなものを示した,と報じられています.反発していた自民党も,これならOKみたいな感じだそうです.

・飲食店内は原則禁煙

・喫煙専用室を設ける場合,20歳未満の客や従業員の立ち入りを禁止

・店舗面積150平方メートル以下の飲食店では喫煙可能

・大手チェーン店など大型資本の店は全面禁煙 

 ただ,子供や妊婦,呼吸器系の患者などが利用する店はどうするかとかもうすこし詰めなきゃならない点もあるので,時間はかかりそうです.

 議論になっている面積は,コンビニくらいと思っておくとわかりやすいみたいです(以下のURL参照,コンビニの売り場面積は100~150平方メートルだそうです).

http://www.fcajapan.gr.jp/database/data42.html

当初案の30平方メートルっていうと,新宿ゴールデン街とかにひしめくカウンターしかないバーみたいなところを想像すればいいでしょう.

 受動喫煙は若干宗教戦争的な様相もあるので難しいところです.個人的にたばこは嫌いですが,全面的に禁止というのには賛同しかねます.吸いたくない人は1 mLたりとも煙を吸い込みたくないのでしょうが,いくら体に悪いと言っても少しくらい吸い込んだってどうってことないですし,気持ちの問題を健康被害の問題にすり替えて白熱したりするのが異常に見えるからです.個人的な感覚では,現在でも特に意識して喫煙を避けなくても,たばこの煙を吸い込む機会はきわめて少なくなっているように思います(東京だから?).面積の話は,妥当なのではないかと思いました.全面禁煙は無理でも,100平米くらいなら仕切りと換気設備で分煙は低コストで可能そうですし.

 

教育ルネサンス スーパー高校 6 会社設立 生徒が商品開発

 しばらく連載していた,スーパー〇〇ハイスクールの話題です.この記事ではスーパープロフェッショナルハイスクール(SPH)のことが紹介されていました.昨年度までの3年間SPHに指定されていた岐阜商業高校は昨年,全生徒の出資で株式会社「GIFUSHO」を設立・登記して経営を学んでいるそうです.LOB(Leader of Bussiness)部という部活が首脳陣として全体の経営企画を統括,四学科でそれぞれ事業部を受け持つしくみだそうです.商品の企画開発や仕入れの計画を課題研究として学び,近くのショッピングセンターで出店,営業を行うなどの取り組みがあったそうです.他にも多様な取り組みが紹介されていました.

 このようなスーパー高校は,スーパーサイエンス(SS),スーパーグローバル(SG),スーパープロフェッショナル(SP)と3種類あるみたいです.僕の出自が理系なので,スーパーサイエンスハイスクールというものの存在は知っていましたが,この連載でいろんなスーパー高校があって,多様に学んでいることを知りました.高校の時分でこんなふうに学んでいると,大学でもっと学びたくなると思います.なにより,大学で学ぶことのイメージがより鮮明になって目的意識を持ちやすくて素敵だなぁと思いました.特に,SSHの研究成果(17年11月9日の記事)をみると,こんなに自由で楽しそうな発想の研究がしたいよ~と思いました.岡山県清心女子高校の「特定の薬品を混ぜると起こる液体の色の変化について,その周期を計測する器械を開発」なんてめちゃくちゃ面白そうです.久々に全記事をスクラップしてしまいました.僕は頑張ってる高校生の話好きなのかもしれません.

 

25万円を31万円で販売 メルカリに現金 容疑で逮捕

 フリマアプリで現金を出品したとして,逮捕者が出ました.目的はクレジットカードの現金化の商売みたいです.

 昨日ツイッターで,メルカリにデスノートの切れ端が出品されている,というツイートを見ました.この記事の事件もそうですが,メルカリを見てると「付加価値の付け方」の観点で役立ちそうなアイディアが転がっているような気がします.もちろん話題になっているのはカスみたいなものだったり犯罪になっちゃったりするのですが,そこにひとひねり加えるとちゃんとした商品になりうるのでは,と.自分ももう大人なので,何かに付加価値をつけていかないと生きていけないのだよなぁ,と思うとそういうところに思いを致さざるを得ません.

 

おわりです.

2017年11月6日の読売新聞の感想

核兵器を作る技術持つべき」石破氏,講演で

 自民党石破茂元幹事長が,原子力関連の技術の維持のため原発は当面続けるべきだとの考えを示したそうです.核兵器を持つべきである,と言っているのではなく,核に対する正確な知識をもって対処する必要がある,との主張です.

 この件については,いいこと言ってるじゃん,と思います.核兵器はいらないのはそうなんですが,世界各国で核兵器保有している事実に鑑みると,石破氏の言う通り「作ろうと思えば作れる」ようにしておく必要はあると思います.

 

座間9遺体 「楽に金得たかった」

 座間の事件の詳細が連日明らかになってきています.犯行のきっかけは金銭目的だったようです.

 お金がないことは社会的な立場がないことに近しい,と最近考えます.働きたくなかったり働けなかったりでお金がないことで気持ちに余裕がなくなっちゃってる人はたくさんいて,今回の犯人はその氷山の一角に過ぎないように思います.幸いにも自分は今職がありますが,いついやになってやめたりクビになるかもわかりません.この事件が自分には全く関係のない,別世界のことだ,とは思えません.

 

おわりです.

2017年10月28日の読売新聞の感想

受信料制度 初の憲法判断へ

 NHKの受信料についての裁判の話題です.放送内容の偏りを理由に受信契約を拒否した男性を,NHKが訴えた裁判が,最高裁までいっています.放送法64条1項が定める「受信設備の設置者は受信契約をしなければならない」という点と,憲法が保障する「契約の自由」とのかかわりが最大の争点です.被告の男性側は,受信料を「テレビ視聴の対価」ととらえ,受信契約強制の必要性はなく放送法違憲である,と主張しています.

 憲法上の権利である「契約の自由」ですが,公共の福祉との兼ね合いで,その権利は制限されうるという点がこの件では重要です.NHKが公共の福祉に資する存在であり,その維持のために合理的な方法である,となればNHKが勝ちます.

 現状のNHKの姿勢として「広告料で運営すれば公共放送の趣旨に反する.税金で運営すれば国家からの独立とはいえない」ということで現在のような形をとっているとのことです.

 被告の男性の主張の肩を持ちたいのですがそうなってしまうと,見ていても「見ていません」と言えば受信契約を拒むことができることになり,NHK敗訴はNHK消滅への布石になってしまうように思います.NHK消滅はさすがにまずいと思います.ただ,本当に見てなくても払わなければならないという今の状況もおかしなことだと思います.視聴時間の把握ができるような技術ができないものでしょうか.今の法制度の判断をどうこう議論するより,その方が建設的なのではないでしょうか.そうすれば,ワンセグ機能付き携帯電話の受信契約義務に関しても解決できるようになります.正直あんなものでテレビを見る人なんてどれだけいるのか疑問です.その裁判も地方と高裁で判断が割れていますが,ワンセグだけしかない場合は払わなくてよくなってほしいです.

 もうひとつおかしいなと思うのは,公共の福祉に~と主張するのになぜ受信機所持者だけが負担しなければならないのか,という点です.テレビ不所持者と,テレビを所持しているが1年間1秒もテレビを見ていない者との間に「NHKの電波受信」ということに関して差はあるでしょうか.もし後者に負担の義務があるのであれば,テレビ不所持者からも料金を徴収していいのでは.

 現在のテレビをとりまく状況が法律制定時から大きく変わっているので,考え直さなきゃならない部分だと思います.

 

おわりです.